【第7回】エクソシスト介護士
2016.07.08 | 逢恋
惨
次の日は休みだった。僕はあの炎につつまれた少女のことが頭から離れなかった。
あれは霊なのか、悪魔なのか。それになぜ姿を見せたのか。なぜ施設に現れたのか。
早川の言うとおり僕は呪われたのだろうか。十年前のあの一言で、わざわざ僕を探してきたのか? 今頃になって? たった四歳の幼子がそれほどまで人を恨むのだろうか。
「……」
こうなったら現場に行ってみるしかない。僕はなぜかそう思った。
* *
僕はひとりでその惨劇があった場所に記憶を頼りにいってみた。
大きな事件などほとんどない町なので当時は大騒ぎだった。
「たしか……この辺だったような……」
静かな住宅地は十年前とさほどかわらない。通りを曲がったあたりで、それは姿を現した。
「うわ……。まだ残っているのか……」
割と大きな家だった。それは廃墟となり、ひっそりとたたずんでいた。
レンガ造りの家はしっかり残っているが、破れた窓からは黒焦げの内部が見える。
「……」