【第4回】ストーカー、亡霊と戦う
2016.06.24 | 逢恋
その人は車で3時間の山奥にいた。
神主が紹介したのは、なんてことはない。普通の農家のおばさんだった。
やけにモンペが似合っている。
「……北条さんですか」
俺はもっと修験者のような、いかつい人を想像していたのだが拍子抜けだ。
「あーあ。あんたら大変なもんついてるね……」
北条さんは俺たちを見るなりため息をついた。
何も言わないでもわかるらしい。見掛けとは違い頼れそうだ。
「ちょっと御祓いを、お願いしたいのですが」
「ここではむりだ」
「ええ!」
「あんたらの家に行かないとな。そんな簡単なもんじゃね」
「うわー……」
北条さんの準備が整ったので俺たちは家に向かうことにした。
彼女は車の中で、注意事項を俺たちに説明した。
「まんず、あんたらの家にいるのは、てーした化けもんだ」
「どういうことです? ただの幽霊じゃないってこと?」
「そうずら。あれは、いつまでだ」
「は? いつまで? いつからってことですか? 怪現象」
「違うっぺ。イツマデっていう妖怪ずら」