【第04回】昭和25年(1950) | マイナビブックス

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昭和流行語グラフィティ 第二巻

【第04回】昭和25年(1950)

2016.02.16 | 現代言語セミナー

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昭和25年(1950)

マッカーサー元帥が年頭の辞で「憲法九条は自衛権を否定せず」と述べ、戦後わずか5年目にして警察予備隊(現、自衛隊)が誕生した。マッカーサーは国連軍の最高司令官に任命され、より絶大となった権力のもとにレッドパージが展開された。

 

アメション

短期間の渡米を「アメリカで小便してきただけ」と、皮肉っていう言葉。
1月に、3カ月間のアメリカ映画視察旅行を終えて帰国した女優田中絹代の、出迎えのファンに投げキッスを連発するなど、アメリカかぶれした姿は、大いに顰蹙(ひんしゅく)を買い、「アメション女」といわれた。

 

アルサロ

アルバイト・サロンの略。ホステスに素人女性ばかりを集めていると評判を呼び、一時は全国に200軒あまりの店がつくられた。
大阪・千日前の『ユメノクニ』が第1号店。

 

一辺倒

民主党代議士北村徳太郎が国会で、「共産党は向ソ一辺倒、政府は向米一辺倒、中立こそが大切」と演説、一躍流行語となった。
一方に傾倒するの意味で、もとは、中国語のイー・ペン・タオ。

 

金へん・糸へん

朝鮮戦争による特需景気で、日本の企業、特に鉄鋼・繊維関係が潤ったので、これらを合わせて「金へん・糸へん」と呼んで、好景気の代名詞に使った。

 

とんでもハップン

5月から12月まで『朝日新聞』に連載されていた獅子文六の小説「自由学校」に使われて流行したことば。「とんでもない」と「ネバー・ハップン」をつないだ造語で、とんでもない、の意味。
ほかにも、「いかれポンチ」という流行語が、この作品から生まれている。

 

曲学阿世

学を曲げ、世に阿(おもね)るという意味で、出典は『史記・儒林列伝』。
吉田茂首相が、東大総長南原繁の全面講和論に対して「曲学阿世の徒だ」と非難したことから、有名となった。

 

わてホンマによういわんわ

6月に発売したブギの女王・笠置シヅ子のヒット曲『買い物ブギ」の一節。

 

レッド・パージ

マッカーサー司令本部によって25年6月に挙行された共産党員、共産主義者の追放令のこと。これは、公職だけではなく全産業に及ぶものであり、パージの形態としては苛烈なものであった。

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