洋服売りになる
或る日。通訳一号をやったレストランのS氏の奥さんから思いがけない電話があった。彼女はレストランの隣でブティックを経営し、フランス製の洋服やバッグ等を売っていた。そのマダムが、「商品を貸してあげるから売ってみない?」
勝手に思い立った通訳業、成り立つかどうかは神のみぞ知る。今は天から降ってくる声に〈何でもOK〉だ。六掛けで卸すから、二割引きで売ってみたらと云われたので、まず姉たちや友達に声をかけてみた。割引が効いたのと商品も良かったし、初商売のご祝儀という事で皆が買ってくれ、かなりの成績を出した。また一筋の光明がさして来た。