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就活すごろく、上がりはイタリア 上

【第13回】マドリッドで暮らして

2017.05.12 | 吉原みどり

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マドリッドで暮らして


着いて早々、初めて異国でのクリスマス・イブを迎えた。スペインはカトリック国だから、この日のマドリッドの賑わいは見ものである。驚いたことに、走行中のバスや地下鉄の車内で誰かがギターを鳴らすと、乗客の数人や子どもまでがフラメンコを踊り出すのだ。今夜は仕事も休みだ。板長が観光がてら一番立派な教会に連れて行ってくれると言う。そのホセ・アントニオ通りに近い教会は超満員。身動きも出来ない程である。金ピカのお堂の内部は、ぐぁーんと響きわたるパイプオルガンと会衆が歌う聖歌が溢れ、それを突きぬけて時おり挿みこまれる神父のよく透る朗誦、花とミサのお香、スペイン人の体臭と香水の匂いでぼーっとなる。確かにここは異国なのだとしみじみ思うのだった。

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