インクジェットプリンタであれば、プリンタで表現できる色域は一般的な印刷よりも広い範囲をカバーしていますが、そこで表現されている色はデフォルトのまま出力した場合、印刷機から出力された色をシミュレートできているとは限りません。プリンタドライバのダイアログでユーザが補正方法を選択できるようにもなっていますが、ここではプリンタメーカーの推奨する「きれいな色」や「鮮かな色」を出そうとするもので、正しい色を出すための設定とはなりません[図1-3]。
また、多くのインクジェットプリンタは、プリンタドライバをインストールすると、自動的にプリンタプロファイルもインストールされ、プリンタドライバからそのプロファイルを使用することも可能です[図1-4]。ただし、ここで使用されるプロファイルは、その機種用にメーカーが配布しているものですが、その機種の汎用的なプロファイルとして用意されているものなので、プリンタそのものの個体差を完全に補正できるものではありません。また、これはOSのカラーマネジメントシステムが読み込んで変換をするもので、出力に使用するアプリケーションとの連携によっては、必ずしも色が一致しない場合もあるため、最終的な印刷機の結果に近いとは言い切れないこともあります。