【第2回】プリンタから出力される色(2) | マイナビブックス

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よくわかるカラーマネージメント入門講座 後編

【第2回】プリンタから出力される色(2)

2015.05.25 | 島崎肇則

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インクジェットプリンタであれば、プリンタで表現できる色域は一般的な印刷よりも広い範囲をカバーしていますが、そこで表現されている色はデフォルトのまま出力した場合、印刷機から出力された色をシミュレートできているとは限りません。プリンタドライバのダイアログでユーザが補正方法を選択できるようにもなっていますが、ここではプリンタメーカーの推奨する「きれいな色」や「鮮かな色」を出そうとするもので、正しい色を出すための設定とはなりません[図1-3]。

また、多くのインクジェットプリンタは、プリンタドライバをインストールすると、自動的にプリンタプロファイルもインストールされ、プリンタドライバからそのプロファイルを使用することも可能です[図1-4]。ただし、ここで使用されるプロファイルは、その機種用にメーカーが配布しているものですが、その機種の汎用的なプロファイルとして用意されているものなので、プリンタそのものの個体差を完全に補正できるものではありません。また、これはOSのカラーマネジメントシステムが読み込んで変換をするもので、出力に使用するアプリケーションとの連携によっては、必ずしも色が一致しない場合もあるため、最終的な印刷機の結果に近いとは言い切れないこともあります。

[図1-3]インクジェットプリンタのプリンタドライバで用意されている補正機能は、プリンタメーカーの推奨する色であって、必ずしも正しい色で出すための設定ではありません。

 

[図1-4]プリンタドライバをインストールするとプリンタメーカーの配布するプロファイルがインストールされ、出力の際にこれを選択することも可能ですが、アプリケーションとの連携によっては必ずしも色が正しく出せるとは限りません。

 

[図1-5]DTPで通常に使用するレーザープリンタでは、インクジェットプリンタのようなドライバの補正が働くことはありませんが、可動部分も多く機構が複雑であるために一定の色を保つことが難しくなります。