【第1回】プリンタから出力される色(1) | マイナビブックス

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よくわかるカラーマネージメント入門講座 後編

【第1回】プリンタから出力される色(1)

2015.05.25 | 島崎肇則

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第1章 プリンタ

 

第1節 プリンタから出力される色

 

プリンタには家庭で一般的な用途として使用されることの多い4~6色のインクを採用したものから、主にカメラマン向けとされる8~10色のインクを採用したインクジェットプリンタ、DTPの制作で用いられるレーザープリンタなど、さまざまな種類があります。

一般的にインクジェットプリンタで表現できる色は、レーザープリンタやCMYKのインキを使った通常の印刷よりも広い傾向にあります[図1-1]。また、インクの数が多い8~10色のプリンタでは、Adobe RGBに近い色を表現することができるものもあります[図1-2]。

インクジェットプリンタでもレーザープリンタでも、各プリンタメーカーが一定の基準に基づいて色を表現するように作られていますが、インクジェットプリンタの中でもコンシューマ向けの製品は、「より鮮かに」あるいは「よりきれいに」見えるような色づくリをすることがあり、正しい色で出力できているとは限りません。なお、DTPの制作で使用されるレーザープリンタは、CMYKのトナーを利用しているために基本的に近しい色を再現できるよう設計されていますが、常に安定した色で出力できるようにするのは、やや難しい傾向にあります。

[図1-1]一般的にインクジェットプリンタで表現できる色は、CMYKのインキを使った印刷よりも広い部分を印刷できる傾向があります。

 

[図1-2]8色や10色のインクを使用するインクジェットプリンタは、さらに広い色域の再現が可能で、Adobe RGBに近い範囲を表現できるものもあります。