【第3回】プリンタから出力される色(3) | マイナビブックス

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よくわかるカラーマネージメント入門講座 後編

【第3回】プリンタから出力される色(3)

2015.05.25 | 島崎肇則

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これらのプリンタから正しい色で出力をするためには、そのプリンタが持っている色再現特性、つまり表現できる色の範囲や階調性、発色の傾向などを記録したプリンタプロファイルを作成し運用する必要があります。

プリンタプロファイルは、プリンタの個体差を吸収し定量化するためのものなので、プリンタごとに個別のプロファイルを作成するのはもちろんのこと、出力する用紙が異なるのであれば、そのプリンタで使用するその用紙ごとにプロファイルを作成しておく必要があります[図1-6]。

プリンタプロファイルを作成する際には、プリンタからカラーパッチを出力し、プリンタの持っている色再現特性を測定器で読み取ります。そのときの値をカラーパッチのリファレンス値と比較し、一定の色で出力するためにはどのような調整をするのかという情報を記述していきます。

カラーパッチを出力する場合には、プリンタドライバでの色補正機能は必ずオフにして、プリンタ本来の持っている色再現特性を読み取る必要があります。もしここでプリンタドライバの補正機能が有効になっていると、出力するカラーパッチそのものが正しい色ではなくなってしまい、作成されたプロファイルはまったく意味をなさなくなってしまいます[図1-7]。

[図1-6]プリンタプロファイルはプリンタ個別に作成するのはもちろんのこと、使用する用紙が複数ある場合は用紙の種類ごとに作成する必要があります。

 

[図1-7]プリンタプロファイルを作成するためのカラーパッチは、プリンタドライバの補正機能を必ずオフにして出力する必要があります。ここで補正がかかっていると、カラーパッチが正しく出力されず、プリンタ本来の色を計ることができません。