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ゴルフプラネット 第7巻

【第2回】スニーカータイプのスパイクは選択されたのか?

2014.12.15 | 篠原嗣典

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スニーカータイプのスパイクは選択されたのか?

 

 昨年、スパイクで悩んでいると誌面で書いた。要約すると、ソフトスパイクでスニーカーみたいなタイプのシューズがあり、楽そうに見えるので履いていたいが、スニーカーでクラブハウス内をウロウロするのはあまり良いこととはいえないので、やはり無理かなぁというものだった。

 

 春に悩んでいたのに、結局、12月になるまで購入はしていなかった。逆にいえば、スニーカータイプのシューズを履いてプレーする自分の姿を想像し、諸先輩方の視線を考慮した上、選択肢としてスニーカータイプのシューズは消えていたのである。

 

 しかし、時代の流れは私の味方をする方向に流れていたようである。秋冬のボーナス商戦で国内メーカーが出してきたソフトスパイクシューズは、見事な複合型が主流になり、見た目でスニーカーのように見えるものはほとんどなかったのである。つまり、見た目は普通のシューズでありながら、中身はスニーカーように歩きやすくなっているようであったのだ。

 

 それでも、半信半疑だった。普通のシューズで十分であると、心のどこかで決めつけている自分がいたのである。

 

 そんな思いこみが正される瞬間が来たのは、昨年末のことだった。ひょんな事から最新機能を搭載したソフトスパイクをいただけることになったのである。あるコースのイベントで、ミズノ製の見た目は普通のシューズで中身はスニーカーのようなソフトスパイクシューズをいただいたのである。

 

 家に持ち帰って、じっくりと観察する。告白すると、気に入らなければヤフーオークションにでも出してしまおうかと思っていた。

 

 外見は全く問題なかった。それどころか、白と黒のツートンのシューズは個人的な好みにピッタリであった。しかし、シューズの紐の部分はスニーカー用の平たい紐で複雑に交差するタイプであった。デザインとしては合格だが、複雑に交差する紐の意味はあるのか? と難癖をつけている自分。

 

 そして、最も気になったのは、底の部分である。土踏まずに大きな穴が開いていて、どうやらカーボンで補強されているようである。また、全体に厚みがあるような気がした。

 

 百聞は意見にしかず。とりあえず、履いてみよう。そう考えた。ちょうど、1月の最初の週末に足腰を鍛える意味もありメンバーになっているコースに行く予定があった。アップダウンがあるコースの方が、シューズの機能もわかりやすいであろうと考えた……。

 

 結論として、驚愕するほど素晴らしかった。全てのシューズに当てはまるか、ミズノ製だけの特徴なのか、判断は読者自身にお任せするとして、楽に履けて疲れないというテーマには完全に答えを出してくれたのだった。

 

 複雑に交差する紐は、強く締めたときに、甲があるベルトゾーンだけを締める従来の概念ではなく、靴全体をあらゆる方向から締めるようにするためのものだった。土踏まずの穴も歩くときに、過去に感じたことがないほどに楽に足の裏から自分を押してくれる感じがした。

 

 これからは、迷わず高機能なシューズを選ぶことを誓う。過去に、競技ゴルフをしている頃は、機能最優先でシューズを選んでいたのに、現在のシューズはオールドゴルファーの定番、フットジョイであった(本当はもう一つの定番、エトニックの方が好きなのだが、この2社のシューズが悪いというわけではない)。

 

 シューズは全てのストロークに影響する大切な道具である。外見を無視して良いわけではないけれど(米ツアーでは規則でスニーカータイプはゴルフシューズとして相応しくないと禁止している)、打っているときの機能や歩いているときの機能に注目してみる価値はある。

 

 唯一、高機能シューズの特徴である底の厚さには注意が必要である。酷いメーカーでは履いた状態で2センチも高さがある。これは大変な問題だ。好んでつま先下がりのショットを毎回する事はない。通常、1センチ位は高さがあるものだが、購入する際には必ず履いて高さを確認した方が良い(見た目の高さがあっても、良いシューズは中が下げ底になっている)。

 

 とりあえず、シューズがストロークにどの位影響するかは、1ラウンドとかの括りではなく、年間通してみると分かると思う。21世紀を生きていくゴルファーとして、少しだけ考えてみることをお薦めする。

 

(2001年1月18日)