【第3回】凍ったグリーン攻略法 | マイナビブックス

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ゴルフプラネット 第7巻

【第3回】凍ったグリーン攻略法

2014.12.15 | 篠原嗣典

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凍ったグリーン攻略法

 

 今年は特別に寒いらしい。先週、本誌のサポートマガジンであるGolf Planet Clubで、凍ったグリーンでのゴルフの話を書いたが、もう少し詳しくとリクエストがあったので、今回のテーマは凍ったグリーンの攻略法である。

 

 グリーンが凍っているような日は、太陽と影に敏感になる必要がある。どの方向に太陽があり、グリーンにどんなように影が出来ているのかをじっくりと観察する事が大切である。

 

 気温が7度を越えていて、30分以上直射日光に当たっていれば、大概のグリーンは溶けている。溶けているグリーンを見分ける能力が、攻略の第一段階である。なお、ベントグリーンで夜の間シートで覆っていた部分は凍っていないケースが多いので、覚えていて欲しい。

 

 さて、凍っているグリーンに向かい合ったら、まず第一に考えることは『ハーフで平均スコアより5打は悪くなっても良し』と言い聞かせることである。凍ったグリーンは、非常に手強い。普通通りにできるなんて考えて、熱くなったりしたら間違いなく自滅してしまう。まずは、冷静に異常な事態に対応するために、目標を下げることが大事である。

 

 そして、攻略の第1段はクラブの選択である。優先順位を整理しよう。

 

 ?①手前から転がす選択は可能か

 ?②グリーンとグリーンの間は狙えるか※

 ?③奥に行っても大丈夫か

 

 ※凍っているのは高麗グリーンが多いため、自動的に2グリーンが考えられる。

 

 手前に何もないなら、普通に使う番手を短く持って若干トップ目に打ち、転がして乗せるという方法が最も理想的である。クラブを思い切って短く握ると結構簡単に低いボールは打てるものである。

 

 手前にバンカーなどがある場合、凍ったグリーンに向かって打つバンカーショットは止まりが計算できず、難しいショットになるので避けなければならない。グリーンとグリーンの間を狙うことを考える。これは普通に打てばよい。ラフは多少凍っていてもボールは止まるし、フェアウェイも同様にボールが跳ねたりすることは少ない。

 

 手前も横も駄目なときは、奥が大丈夫かを考える。奥が大丈夫な場合は、普通にグリーンに向かって打てば良い。ボールはテーブルの上にボールを落としたように、跳ねながら奥へこぼれて行く。

 

 全ての方向に対してダメだった場合は、ピンから一番遠いバンカーを狙おう。ピンが手前にある場合は、寄せようがないが、ピンとの距離があれば手前にボールを落として、コロコロと転がって寄ることは有り得るからである。

 

 さて、狙い通りグリーンにボールが乗れば最高であるが、そうでない場合のアプローチが問題である。これは、迷わず『テキサス・ウェッジ』である。冬場のグリーン周りでは、パターを味方にした者が勝つのである。アプローチで高さを出したものや、スピンが掛かったものは、普段では考えられない結果が出てしまうことが多い。上手くいったのに結果が伴わない場合のショックは、自滅する要素として十分である。

 

 例えば、30ヤードのパッティングなどやったことがない、という人は、15ヤードのパッティングを思い出してほしい。その2倍、振り幅を出せばそれで良い。変に強く打ったり、速く振ったりする必要はない。意外とパターはボールを飛ばすことができるのである。私は冬場になると練習場で10球程度ボールを打つことがある。30ヤード、35ヤード、40ヤードと慣れれば気持ちが良いほど簡単に打つことができる。

 

 また、ラフやフェアウェイの転がりのロスを計算できないと言う人もいる。これは、秘技がある。ラフはとにかく、フェアウェイに関しては、距離を0・5倍分だけ足すのである。例えば、フェアウェイが4ヤード、グリーンに乗ってピンまで10ヤードだったとしたら、16ヤード分打てば良いのである。信じた者は救われる。信じた者が勝ちである。

 

 ゴルフを頭を使うものであると考える人にとっては、凍ったグリーンは最高の舞台である。頭を使って、最小限のロスでスコアを作っていくのは快感である。

 

 何ホールか我慢すれば、グリーンが溶ける第2のスタートが待っている。そこまでで、終わってしまわないようにするための手段を持っていれば、ゲームを制するのは誰であるか、自ずと答えは出る。

 

(2001年1月25日)