【第10回】山で会い、山に還る ― 〝犬の手〟を借りる | マイナビブックス

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愛犬との出会いと、別れ 上巻

【第10回】山で会い、山に還る ― 〝犬の手〟を借りる

2015.11.05 | 久根淑江

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〝犬の手〟を借りる

 

 忙しいとき、人はよく「猫の手でも借りたい」と言う。私は忙しい日々、この言葉を思い出し冗談まじりに「手伝ってよ」と、よくハチに話しかけた。まさか〝犬の手を借りられる〟なんて思ってもいなかったけれど……。

 犬小屋の床板の上に布や、座布団を敷物代わりに敷いてやっていた。それを前足で引っ掻いて、丸めたり、破いたりするのでなかなか敷物らしく定着しなかった。何かよい物はないかと探すとピッタリの物があった。ナイロンの古ストッキングを利用した敷物だった。

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