見抜かれた作戦
ところが、謙信は武田軍の別働隊と本隊との陣で、炊事の煙が立つのを妻女山の上から見抜いていた。
そこで、すぐさま、諸将を集め、夜が明けぬうちに妻女山の陣を引き払い、雨の宮の渡しを越えて、対岸へと移っていった。
一万三千もの軍勢でありながら、準備する物音も聞こえず、炊飯の煙が立たなかったのは、上杉軍は軍律により、毎朝、三食分の食事を作らせることにしていたために、夜中に火を起こす必要がなかったためだと、『甲陽軍鑑』は解説している。
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ところが、謙信は武田軍の別働隊と本隊との陣で、炊事の煙が立つのを妻女山の上から見抜いていた。
そこで、すぐさま、諸将を集め、夜が明けぬうちに妻女山の陣を引き払い、雨の宮の渡しを越えて、対岸へと移っていった。
一万三千もの軍勢でありながら、準備する物音も聞こえず、炊飯の煙が立たなかったのは、上杉軍は軍律により、毎朝、三食分の食事を作らせることにしていたために、夜中に火を起こす必要がなかったためだと、『甲陽軍鑑』は解説している。