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戦国サラリーマン 山本勘助①

【第2回】近頃、世間に流行するもの……

2014.12.25 | ナリタマサヒロ

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近頃、世間に流行するもの……

 

最近、ビジネスマンの間で話題となるキーワードのひとつに「インテリジェンス」という言葉がある。週刊誌の経済記事などでも、有識者の対談などでも、頻繁に目にするようにもなった。

「インテリジェンス」とは、一般には「情報戦略」というニュアンスで用いられていることが多いようだが、もともとは、英国流の植民地統治支配や国際戦略において、重用されてきた軍事用語なのだ。

つまり、国際社会において、国家の安全保障や政治経済の駆け引きを有利に展開するために、相手国の情報を収集し、分析や評価などを行う「諜報活動」を意味しているのである。

これが転じて、グローバル化や情報化が進む現代社会では、このように積極的に情報を収集し、以降の戦略立案に役立てる手法が、企業の経営戦略や個人の目標管理に不可欠であるという観点から、近年、俄かに脚光を浴びるようになってきているのだ。

しかし、この「インテリジェンス」という言葉は、もともと、軍事用語だっただけに、その実態は「情報化」や「IT化」などといった生易しいものではない。

そもそも、この「諜報」という言葉からして、戦前の日本陸軍参謀本部における「秘密戦」と呼ばれた作戦行動の一部であったことからも、そのニュアンスは把握出来るだろう。

参謀本部が掲げる「秘密戦」とは、おもに4つの作戦行動から構成されていた。

その第一が、隠密裏に情報を収集する行為を意味する「諜報」活動である。いわゆる、スパイ行為そのものと言ってもいいだろう。

さらに、敵国のスパイを摘発することで情報漏えいを防ぐ「防諜」活動や、そうしたスパイ行為を逆手にとって、敢えて戦略的に情報を流す「宣伝」活動、さらに、偽情報により敵国をかく乱する「謀略」などがあった。

実際、これらの活動は、現在でも国際社会では、水面下で日常茶飯事として行なわれているのであり、表面化しないからこそ、「秘密戦」の「秘密戦」たる所以なのである。