2 レントロールを読み解く
物件の詳細資料を請求すると、レントロール、間取り図、謄本、周辺地図などが送られてきます。
不動産会社や物件によって添付資料の種類はバラバラですが、レントロールさえあれば、この段階では十分です。
レントロール
貸借状況一覧表のことで、各戸ごとの入居状況や契約賃料などが記載されており、賃貸契約の内容や現状が把握できます。
レントロールから読み取れることはいろいろあります。
1.現在適正賃料を算出する。
ひとつのアパート内でも賃料のバラつきはあります。一階と二階の違いや、角部屋と中部屋でも数千円程度違います。それ位は無視して構いませんが、極端に値段が違うことも多々あります。
このレントロールからは、「203号室の家賃が突出して高いのは何年も前から入居し、更新時に家賃改定がされなかったからだろう。この人が退去した場合は、直近で契約した105号室や204号室と同等に家賃を下げなければならないだろう」と想定できます。
その家賃を基準に、年間賃料を出し利回りを算出して、投資の適否の判断を行なうことができます。
2.契約開始日からリスクを判断する
レントロールには、各住居の契約開始年月日が書かれているのが普通です。(記入されていないものも多いので、その時は、不動産屋さんから教えてもうらようにして下さい)
もし契約開始日が、全戸ともに同じような日に締結されている場合には注意が必要です。
各部屋は個別に契約なされているものの、どこかの同一の工場や会社に勤務している人間が、同時に契約している可能性が高いといえます。その工場や会社が破綻、もしくはリストラを行なったなら、全室同時解約され、全室一斉空室というリスクがあると判断できます。
また、入居開始日が全室2年以内だった場合も注意が必要です。
賃借人の事情で2年以内に引っ越す事はありますが、何人かに一人です。通常、2年以内に全部屋入れ替わるなんて事は起きません。「何か目に見えない問題がある」と判断できます。