【第3回】現地調査を行う | マイナビブックス

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3 現地調査を行う

 

 利回りの計算や周辺賃料相場との対比など金銭的な諸条件がクリアーし、「これはいけるかも」と思えたなら、いよいよ現地調査です。

 ある程度レントロールで入居者層は分かっているので、現地調査の目的は、自分の目で建物の状態や周辺の状況を確認する事にあります。

(事前に、その地域の成り立ちや商業施設などを調べておくと、より有意義な現地調査になります)

 

建物

 建物が満室だった場合は、部屋の中を見る事ができないので、不動産屋さんに図面を持ってきてもらい、詳しい説明をしてもらって下さい。

 投資初心者は、建築、不動産に詳しい人に同行してもらう事をお勧めします。

 私は建設会社の人間ですから分かるのですが、「建物は何らかの問題があるものです」。所詮は人の手で作っているわけですから、完璧な建物など無いのです。

 大切なのはその問題が、後々重大な問題に発展してしまう可能性があるのか、あまり問題のないものなのかです。

 これらの判別は経験がないとできません。

 また建物の構造によっても、将来考えられる不具合は違います。物件を見るポイントも違います。これらも経験がないと分かりません。

 ですから、経験豊かな人と同行して現地調査を行って下さい。

 もしも同行を頼める人がいないなら、リフォーム会社さんに頼むといいでしょう。

「現在、物件購入を検討中ですが、もし買えたなら、リフォームをお願いするかもしれませんので、見積もりをお願いします」と正直に事情を話せば、了承してくれると思います。

 彼らの建物判断を基準に物件状態を考え、より慎重を求めるなら、もう一社別のリフォーム会社に声をかけて投資判断にして下さい。

 

周辺状況

 建物に何かあったとしても、大半の事はお金で解決できますが、周辺状況を変える事は不可能なので、周辺状況はしっかりと確認して下さい。

 周辺状況で最も気にしなければならないのは、音と臭いです。

 音といっても、工場や車のいわゆる騒音と呼ばれているものや、幼稚園や小学校から聞こえる子供の声など様々です。また建築工事現場からの騒音などは期間が限定されています。

 それらの音が、購入を考えている物件に影響するのかどうか、

 たとえば、学生さんには、昼間の子供の声は気になりませんが、看護師さんなど、夜勤のある勤務体系の方にとってはつらい環境になってしまいます。

 また近くに国道が走っていて、車の騒音がしたとしても、物件に防音設備を備えていれば問題ないことです。

 その物件の特徴や入居者層と、音との関係を調査してみて下さい。

 

 臭いについては、もし物件周辺が臭いようなら、絶望的です。その物件の購入は止めた方がいいです。臭いはどうする事もできません。

 また臭いは風向きによっても変わります。本来なら、何度も行って確認するのがベストですが、そこまでの時間がない方は、近所の方に話を聞いて見て下さい。

 

 自分の住んでいる地域が臭いのか? と聞かれると、いい気はしないと思いますが、礼儀正しく挨拶し、他の議題も入れて会話という流れにすれば、嫌な顔せずに教えてくれると思います。