第3章
ロケットボールズの致命的な弱点
今までの2回で、ネーミングやスリットの心理効果だけでなく、重心距離長め、低重心、重心深度浅めという、ヘッドの性能を分析してみた。その結果、フェアウェイウッドの中で最も飛ぶと言われていた、キャロウェイの初代スチールヘッド並の飛距離を実現した。なおかつ、現代のフェアウェイウッドらしく慣性モーメントが大きいので、やさしさを確保し、確実に今一番飛ぶのがロケットボールズだと思う。
ロケットボールズは決して高いクラブではない。そもそもバーナーというセカンドブランドの代替えであるから、価格も安くそれが大ヒットにもつながった要因。しかし、コストダウンは残念ながら性能に反映される。ヘッドは非常によく出来ているが、シャフトにしわ寄せが来ているのだ。
誤解を恐れず言えば、市販のままのロケットボールズは100点満点ではない。ヘッドのコストダウンは一般ユーザーでも感じやすいものの、シャフトは皆さんコスメばかりに目が行き、意外にコストダウンを感じにくい。