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一億総編集者計画

ビジネスマンの基礎能力 課題を「線で捉える」考え方

Illustration: 浦野周平

なぜ今、編集力が重要なのか? 多様な発信チャネルが存在する時代の宿命

計画(1)さまざまな課題を編集力で解決しよう

私は約20年のビジネス人生のうち、15年間、さまざまな媒体の立ち上げ、運営に携わってきましたが、常々思っていたことがあります。メディア制作における「編集」能力は、ビジネスシーンで役立つのではないか?と。そこで本連載では、現在のビジネスにこそ「編集力」という思考のフレームワークが役に立つということを説明していきたいと思います。

編集者と聞くと「雑誌や書籍をつくる人」というイメージを持たれがちですが、実は職域がとても広く、「プロの何でも屋」とも言えます。マーケティング、マネジメント、コミニケーション、提案、企画、文章などなど、媒体をつくりあげる工程で多彩な能力を駆使し、一つのカタチに仕上げます。そんな編集の能力は、サイト制作にとっても非常に重要な要素になります。具体的にはどういうことか。連載第1回は、課題を点として捉えるのではなく連続性の出来事として認識し、シナリオを作成しながら、一つ一つの課題に取りくんでいくという考え方を紹介しましょう。

 

計画(2)情報の流通経路を把握しよう

まずは、サイトを制作することが目的ではなく、その先には必ず目的があり、サイトの情報がどのようにユーザー(消費者)に届き、どのような効果が期待できるかという、大きな枠組みの視点を持つことが重要です。今回であれば、採用サイトとなるので、ターゲットがどのように就職&転職活動の情報を手に入れ、どんな情報が欲しく、どういった環境で情報を得るかをイメージします。

さらにいうと、その先の態度変容までも意識することが求められます。紙媒体における編集作業では、配本先や書店での陳列場所(ジャンル)、配布方法(サンプリング、ラックの設置)など、まずはユーザーがどこで媒体を手にするかを把握してからコンテンツの内容を考える作業を行います。ユーザー目線で! という言葉が横行していますが、そこには、情報の流通経路とユーザーの行動をまずは理解することから始めなければなりません。

新卒採用であれば、最近の若い人たちがどのように情報を収集しているかから議論やリサーチをすることが大事となります。例えば15~29歳のスマホネイティブはSNSの利用率が高いです。検索して情報を集めるというよりは、※「情報を引き寄せる」という行動が顕著で、情報を「とりあえずためる」、「自然にたまるようにする」といった動向が見られます。いいね!を押す、お気に入りのアカウントをフォローする、スクショで気になる記事を撮影するなどです。こういった状況が見えてくると採用サイトの集客においては、自ずとSNSの施策がとても重要になるというのがわかってきます。マーケティング的に理解ができれば、あとはユーザーのインサイトを掴むコンテンツをつくり出す編集力の出番です。

※(株)博報堂DYメディアパートナーズ(株)博報堂D.A.コンソーシアムホールディングス(株)「スマートフォンユーザー情報行動調査2018」より

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