2016.11.18
企業のSNS戦略を支えるソーシャルディレクター #4 ─KPIは「空気を変える」こと。難題を解決した「SNS」活用─ 後編
企業にとって、ユーザーとのコミュニケーション構築の重要性は高まる一方だが、そんな中、MindFree社は、SNSに関する専門知識を持った「ソーシャルディレクター」を育成し企業の多様な要望に応えている。ここでは、そのソーシャルディレクターの仕事をレポートする
STEP 2:KPIはコメント欄の活性化。誰もが共感できる話題を作る
「北海道電力さんのFacebookページにはさまざまな人が訪れるものの、内容がやや難しいこともあって、男性中高年層からの硬めのコメントが多いという傾向がありました。ページをより活性化させるためには、若い世代や女性など、幅広い層に興味を持ってもらう必要があります。そのための施策を考えてほしいと依頼がありました」
清水さんは、課題を解決する手段として、一つのキャンペーンを企画した。
「北海道の風景をテーマとしたフォトコンテストを開催しました。FacebookページとWebサイトを活用して人を集め、Facebookのメッセージ機能を使って写真を投稿してもらいました。誰もが『きれいだな』『いい風景だな』と感じる写真が集まれば、年齢などの層を超えたコミュニケーションができる場になるのではないかと考えたんです」
フォトコンテストは、地元北海道のみならず、全国の北海道ファンから評判を呼んだこともあって、想定していた以上の写真の応募が集まった。そして入賞作品を発表するサイトのコメント欄は活性化し、「気さくな」コミュニケーションが生まれた。
「それまで少なかった若年層や女性からも、作品への感想や賞賛のコメントが数多く寄せられました。こうした、ユーザーが分け隔てなく楽しめる場を創出できたことで、北海道電力さんが考える戦略の第一歩を踏み出せたのではないかと思います。今後もこのような施策を地道に続け、多くの人に親近感を持ってもらえるページ作りのお手伝いができればと考えています」
コミュニケーション戦略は企業にとってますます重要度が高まる分野だ。そんな中でSNS施策に特化した人材を次々に育成するMindFreeの取り組みは、注目に値するといえる。
企画協力:マインドフリー株式会社