2016.07.29
森田アルミ工業│従業員数45名のB2B企業が広報戦略にTwitterを選んだワケ 【Case Study:#02_Twitter】B2B企業で異例のフォロワー数1万越え!
大阪府阪南市にある森田アルミ工業(株)は、エクステリア製品を製造するB2B企業だ。同社が、なぜ広報戦略の中心にTwitterを据えたのか、SNSを担当する営業部の責任者に話を聞いた。
Photo:黒田彰
森田アルミ工業
営業部 部長 植野秀俊氏(写真右)
営業部 東京営業所 所長 宇野健太郎氏(写真左)(写真左)
SNSの戦略などなかった
「SNSは営業部で運用していますが、すべて手探りで始めたことで、1~2年という短い期間でこれほど大きな反響を呼ぶとは我々自身が予想していませんでした」と語るのは、森田アルミ工業(株)でTwitter担当者(後述)の直属の上司である宇野健太郎氏だ。
企業のSNS運用は、消費者との接点が多い商品を扱うB2C企業が行うのが一般的だ。ファンを獲得して商品の良さを知ってもらい、購買につなげるという戦略が構築しやすいからだ。
ところが、同社はオフィスの間仕切りやバルコニーなどを製造するアルミ建材メーカーであり、直接の顧客は建築業界である。エンドユーザーは普段使っている手すりやカーポートが森田アルミ工業製であっても、それを意識することはほとんどないのが実状であった。このように典型的なB2B企業がTwitterでフォロワー1万1,000人超えという確かな存在感を放つとは、いったい誰が想像し得ただろうか。そもそも、当初はTwitterの公式アカウントを開設するというSNS戦略すら存在しなかったという。
きっかけはAKB48がGoogle+の交流サービスを開始して話題になっていた2011年のこと。「何か新しいことをやっていこう」という社長の提案を受けて、ユーザーの顔が見えるSNS活用の企画が立ち上がった。
ところが、検討を進めるうちにGoogle+は参加者が少なく集客に不向きだったため、当時一番成果があがると思われたFacebookページを開設した。しかし、KPIを設定して運用を開始しても思うような成果をあげることが叶わず、さらなるトライとしてTwitterを始めることになった。
「営業部で広報を担当していた者(野際万佐子氏)が、もともと個人でTwitterを使っていたこともあり、公式アカウントを運用することになりました。当初から試行錯誤しながら、期待していた以上の成果をあげてくれています。今ではSNS全般はもちろん森田アルミ工業の広報の顔として全幅の信頼をおいています」(宇野氏)
企業アカウント同士の交流
森田アルミ工業の公式アカウント、通称「森アルさん」が選んだツイートのスタイルは、新製品情報やブログの更新などを一方的にツイートしていくのではなく、時事ネタなどを絡めて柔らかい文面の投稿をする「ゆるツイート」であった。もちろん、どこまで企業公式としての品位を保ちつつツイートするのかといった試行錯誤はあり、固めの文面と柔らかめの文面でサイト誘導率のA/Bテストを行うなど定量的な解析も行いつつ、現在のスタイルに落ち着いていったという。
同アカウントにとって大きな転機となったのは、2013年にやはり異色の企業公式アカウントであるシャープ(株)が、同社のWebサイトのデザインについてツイートしたことだ。