2016.03.21
One's View コラム Web Designing 2016年4月号
[IOT:Calendar Watch]本当に意味のあるものは、いつだってシンプルだ。
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
「これは欲しい!」と「Calendar Watch」を見て久しぶりにそう思った。いろいろなIoTプロダクトを見てきたが、機能がてんこ盛りすぎたり、付与された機能に必要性を感じなかったり、「これスマホのアプリでいいじゃん!」というものだったり‥‥。ちゃんとニーズに合致した、欲しいと思えるIoTプロダクトは、実はとても少ないように感じる。そんな時に見つけたのがこれだ。機能とデザインがうまいこと調和されている。名品の登場だと感じた。一見普通の時計のように見えるが、よく見ると文字盤が2色に分かれている。この色分けがCalendar Watchの肝である。
機能としては、Calendar Watchという名前の通り、スマホのアプリ経由でGoogleカレンダーなどのオンライン上のカレンダーと接続すると、自分の予定が時計の文字盤に表示されるというものだ。
「時間を確認する」という行動を考えると、時計で時間を見ながら、スケジュール帳を取り出して今日の予定を確認することが多いように思う。複数のデバイスを横断する確認作業で、手間がかかって面倒くさい。そういった時間管理が「at a glance」、つまりほんのチラ見で確認できるというのが、このプロダクトのイノベーティブなポイントだ。それが存在することで今までの生活に良い変化が起こるのかが重要だ。
機能をモリモリにしたところで、生活が変わらないどころか、より面倒くさいことになっているのだとしたら、そのプロダクトは存在する意味がないとすら思う。そもそもIoTプロダクトはスマホとのペアリングがある時点で、面倒くさい代物なのだから。もっとUXやUIを考え抜いて普段の生活を改善していけるような開発を、自分も含めみんな考えていかねばならない。
【Internet of Things】https://www.kickstarter.com/projects/1540240985/calendar-watch?