2016.03.24
行動デザイン塾 Web Designing 2016年4月号
“脳内カレンダー”活用のススメ
まったく新しい行動をいきなり定着させることは極めて難しい。しかし、社会や生活の中にすでに組み込まれた「周期」を上手に活用すれば、不可能なことではない。今回は「周期化」というアプローチについて解説する。
恵方巻きは豆まきの「代替行動」
やや“過熱”ぎみに思えた今年の恵方巻き商戦。あるSNSの書き込みを発端にメディアが「大量廃棄」を報道したことは記憶に新しい。結局、一過性の流行で、ブームは去ってしまうのだろうか?(01)

恵方巻きは、戦後、大阪の鮓商協会が閑散期である2月に、商戦として仕掛けたという説が一般的だ(筆者撮影)
博報堂生活総合研究所は、節分に恵方巻きをする人の比率を調査しているが、確実に増加傾向にある(02)。発祥の地、関西では、ほぼ7割で固定しているので、その他の地域に習慣が広がっているということだ。首都圏でもすでに4割超えだ。これはもう不可逆的なトレンドだといえよう。

恵方巻きの実施率は着実に増加する一方で、豆まきの実施率は右肩下がり。マクロトレンドでは、豆まきが次第に恵方巻きに代替されつつあるとしている。恵方巻きは2010年から隔年で調査を開始。今年(2016年)の結果は未公開
出典:博報堂生活総研「生活定点1992-2014」
ただ、よく見るとその伸び率は、2012年以降やや鈍化している。今年の「大量廃棄」問題は、