2016.02.21
One's View コラム Web Designing 2016年3月号
[IOT:Nima]日常系センシング
4人のナビゲーターが、それぞれ自分のジャンルから一つの対象を選んで毎月紹介する「ナビゲーターズコラム」。選んだ対象の目の付け所や特徴など、わかりやすく解説してくれます。
普段生活している中では表面上見えてないけれど、実はすごく重要だということがある。たとえば人の目には見えないウイルスや数値化してみないとわからない自分の血圧や心拍などは、普段はまったく意識しないけれど、測ってビジュアライズすることで、その存在に気づかされる。食べ物もそうだ。とくに加工食品になると、どんな成分が入っているのかは謎だったり、成分が表示されていたとしても食品偽装などのニュースも多い昨今では一概に信じがたかったりする。そこで今回紹介するのは、ポータブルな食品成分分析デバイス「Nima」だ。
Nimaは手のひら大ほどのデバイスで、食品のかけらをカプセル状の薬品と一緒に入れるだけ、わずか2分程度で食品の中に「グルテン」が入っているかどうかをチェックしてくれる。なぜグルテンかというと、アメリカではグルテンフリーがダイエットやセリアック病対策の観点から急速に求められてきている。Nimaはデバイスとスマホアプリのセットになっていて、検査結果はインターネット上で共有ができる。つまり、特定の食品にグルテンが含まれているかどうかをインターネット上にアーカイブしていけるし、そのデータが溜まっていくことで生活者主導の食品安全データベースができていくということもおもしろい。
Nimaを提供する6sencerlabのメンバーは、グルテン以外にもさまざまなアレルギー成分などを分析できるようにしていきたいと語っていた。この次は、アレルギー患者の多いピーナッツの成分分析を目指すそうだ。
食品成分のような日常に潜む見えない何かを、センサーを使って感知・分析・可視化していくことで、ほかにも日常生活に欠かせないプロダクトとサービスを構築することができそうだ。
【Internet of Things】Nima