2015.09.23
最果タヒの詩句ハック Web Designing 2015年10月号
第16回「カ詩ラモジ」 詩人が四苦八苦しながら詩をハックする
詩人/小説家の最果タヒさんがデジタルテクノロジーと詩を融合させた作品を毎月公開します。
作品は「shikuhack.jp」で公開中

意味を与えること。詩を作ること。
作ることと鑑賞することにはどうしても隔たりがある。インターネットの台頭で、誰でも簡単に作品を作ることができるようになった、といっても、やっぱり一つの作品には、作者と鑑賞者という壁があって、それを超えることはできない。他者が作った作品の前ではどうしたって鑑賞者から抜け出すことができない、それはそれはなんだかさみしい事実のようにも思えていたのです。(こんにちは、最果タヒです。詩を四苦八苦しながらハックするタイプの詩人です。私の詩は、読む人にとってレンズのようなものであってほしい、そう思っています。詩を通じて、その人の生活・気持ちを見つめていく。一つの作品であっても、そこから見える景色は、ひとそれぞれ違ってくるのだと思うのです。)今回の企画は、読者が入れた任意の言葉に縦読みできる詩をつくるジェネレーターです。読む人の、読みたい気持ちや、人や物の名前などから、詩を一つ作ります。最果タヒの散文でありながら、その人の意思もたしかにある作品。そんなものが作れたら面白いな、と思っています。
- Text:最果タヒ
- 詩人/小説家。第44回現代詩手帖賞、第13回中原中也賞受賞。詩集に『グッドモーニング』(思潮社)、『空が分裂する』(講談社)、『死んでしまう系のぼくらに』(リトルモア)。小説に『星か獣になるなる季節』(筑摩書房)、『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』(講談社)