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AI活用×IoTで介護・介助現場の課題解決に挑む

情報過多時代の企業におけるコミュニケーションの理想と現実

独自のAI活用技術「worktransform®」を用いて介護・介助現場が抱える課題の解決に挑む(株)情報システムエンジニアリングは、東芝デジタルソリューションズ(株)が開発したIoTプラットフォーム「ifLink」を軸に業界業種の垣根を越えてオープンに交流する「(一社)ifLink オープンコミュニティ」に加入。このオープンコミュニティを介して繋がった両者は、重要な社会課題解決のために事業共創を実現しようとしています。

千葉恭平(下段右)
東芝デジタルソリューションズ(株)/(一社)ifLinkオープンコミュニティ理事 コミュニティディレクター
黒田聡(下段中央)
(株)情報システムエンジニアリング 代表取締役社長
伊藤克巳(上段中央)
(株)情報システムエンジニアリング シニアマネージャー

【CONVERSATION 1】現場の人手不足をAI活用で解決

介護・介助現場が抱える課題の中で(株)情報システムエンジニアリング(以下ISE)が解決に力を入れるのは、人手不足に起因する課題です。介護・介助従事者のリソースの低下は在宅医療や在宅介護の需要を生みましたが、ここでは患者・被介護者・家族の協力が不可欠。在宅での対応は肉体的、時間的コストだけでなく、家族が仕事を辞めたり住環境を変えたりする必要も出てくるため、精神的負荷、金銭的コストも掛かります。ひいては働き手の確保を困難にするなどの社会課題の原因ともなります。そうした課題を、ISEはAI関連技術を用いて解決していこうとしています。代表取締役社長の黒田聡氏は、取り組みにかける思いを次のように話します。

「超高齢社会で大切なのは患者、被介護者、被介助者だけでなくその家族の方々ができるだけ支障の少ない生活ができる状態をつくり、持続させることです。このためにはコミュニケーションの質的向上が欠かせません。また、一昔前の医療・介護機器開発はリスクを事前想定し、これを回避する設計品質最優先で開発していましたが、現在は利用者のニーズや状況変化に柔軟に対応できるアプローチで開発するようになっています。冗長性を持たせ、レジリエンスを確保する思想の台頭は、当社の独自技術を活かせると感じています」

 

黒田 聡

慢性的な課題にAI技術でアプローチ

画一的な対応が難しい介護・介助の現場では、ノウハウや知識の共有を通じて人材を育成しています。しかし、組織としての対応力を高める努力を日々続けていますが、慢性的な人手不足によって効果を阻まれています

 

【CONVERSATION 2】“土”となるifLinkプラットフォーム、“幹”となるISE

ISEがリリースするのは、ストックされた情報の中から必要な情報を必要な形でAI独自技術「worktransform®」を利用した「Right4ANSHIN™」という自社開発製品とサービスです。画像、音声、文字情報などを取得・分類し、状況に応じてレコメンドするもので、介護・介助現場で適切に必要情報を提示し、経験不足のスタッフを助ける教育効果が期待できます。

ISEは、このソリューションのビジネス勝算を高めるため、「一般社団法人ifLinkオープンコミュニティ(以下コミュニティ)」に加入しています。コミュニティでは、さまざまなIoT機器やWebサービスの動作を、IF(~したら)、THEN(~する)という形で組み合わせて便利なしくみを簡単に実現する、東芝デジタルソリューションズ(株)が開発したIoTプラットフォームであるifLinkを活用し、未対応の既存ニーズを満たして既存市場を掘り起こす/まだ世の中にない潜在ニーズを開拓する製品・サービスの開発の取り組みが進んでいます。

コミュニティ理事の千葉恭平氏は、コミュニティにとってのISEの位置づけをこう定義します。

「ifLinkはオープンな仕組みですが、あくまでもプラットフォームで、いわば土壌です。幹となるプラットフォームパートナー、そこからモジュールやサービスという枝葉を伸ばすモジュールパートナー、事業という実を育てるサービスパートナーが必要です。ifLinkを使ってコミュティから社会課題を解決するサービスを生んでいくには、幹にあたるISEのような存在が必要ですし、こうした連携をきっかけに多くのパートナーを集めていければと考えています」

コミュニティとISEが組み合わさることで、ウェルビーイングな世界をつくる第一歩を踏み出すと同時に、両者の連携を対外的にアピールすることで多くの仲間を集めようとしているのです。

共創コミュニティを土壌にさまざまなパートナーが実を育てる

ifLinkとその活動の場であるifLinkオープンコミュニティは、あくまでも基盤であり、そこに顧客に提供する機器やサービスを様々な企業が共創していきます

 

【CONVERSATION 3】既存品の組み合わせだからこそ導入障壁も軽減可能

ifLinkを土台にISEが展開しようとしているのは、患者や被介護者の見守りと行動変容を促すナッジを行うソリューションです。一般的な見守りシステムは同一メーカーのソリューションとの連携が前提で、その機能やアクションは警報に留まるなど限定的でした。しかし、利用者やその家族の状況、状態が日々変わっていく在宅・在所での介護・介助の現場を制限のあるソリューションでカバーすることは難しいものです。そこで、複数のモジュールやサービスを組み合わせられるifLinkを活用することで、現場の実状にあわせた最適な見守りとナッジシステムを構築しようというのです。ISEの伊藤克巳氏は、このシステムの中でworktransform®が担う役割とメリットを次のように説明します。

「worktransform®の特徴はあらゆる判定を画像に基づいて行う点で、スマホ等の映像を通じて画像として状況情報を取得して状況を判定します。例えば『見守り対象者が転倒したらアラートを鳴らす』といった条件と動作を設定していた場合、送られてきた画像を見た上で条件を満たしているようであれば動作を実行するという具合です。一般的なIoT機器は内部の信号を処理して動作しますが、worktransform®であれば外見情報に基づいて動作できるため、既存のデバイスをそのまま活用できるという利点があります」

転倒の例の他にも、食事や移乗動作、睡眠時の褥瘡(じょくそう)防止、バイタルチェックなどの見守りも可能で、かつ既存のデバイスやセンサーと組み合わせて活用できることから導入障壁も軽減されます。それだけではなく、同居家族の声や現場の生の声、現状に耳を傾け、具体的な課題の深掘りをしていく場としてコミュニティ内に「エッセンシャルワーカーの課題を考える部」を立ち上げてさらなる可能性を議論しており、こう黒田氏は語ります。

「例えば不動産業の場合、住む場所を提供するというビジネスモデルですが、入居者が入院したり介護施設に入ったりしてしまうと、提供価値が成立しなくなります。そこで、在宅医療・介護の負担を軽減するソリューションを組み込んだ住宅を開発することで、ビジネスを成立させつつ、ユーザーに安心を提供できるようになります。我々の製品とサービスは、複雑で多機能なものを追求するのではなく、単機能なものを安定的に、メンテナンスフリーで提供することを最優先した設計思想なので、幅広い業界に適応できると考えています」

既存のモジュールやサービスを活用した新たな可能性を開けるifLinkと連携があるからこそ、事業化できた時のポテンシャルも大きなものとなるのです。

ifLinkを基盤に展開するソリューションアイデア

worktransform®技術をソリューションに昇華した「Right4ANSHIN™」は、必要な情報をレコメンドする機能もあります。何らかの異常を検知した際には、事前に収集したエビデンスに基づきどのような行動を取るべきかをガイドすることもできます。このソリューションは、在宅介護・介助を行う患者・利用者やその家族だけでなく、不動産業界、ホテル業界、保険業界などの他業種の企業と連携することで、広くビジネスの展開を考えることができます

 

【CONVERSATION 4】IoTプラットフォームで実現すること

今回紹介したISEとの取り組みの他にも、コミュニティでは現在、プラットフォームパートナーと共創して事業化に取り組んでいる事例が複数あります。例えば、リスキリングなどといった教育分野をはじめ、アウトドア、エンターテインメント業界など、その分野は多岐に渡ります。この動き加速させていくために、重要なポイントがあると千葉氏は次のように語ります。

「コミュニティにはエンジニアをはじめとして多種多様な人が集まり、アイデアを考えたり、プロトタイプをつくったりしています。こうした動きは専門家でなくてもIoTを使いこなせる、よりオープンなIoT市場をつくっていくためのものです。我々の営みから生まれたものを、ユーザーに届けるためビジネスに昇華していくことが重要になって来るでしょう」

実際に、これまでコミュニティと連動してきた黒田氏は、コミュニティ発によるビジネスの実現性の高さを以下のように示してくれました。

「コミュニティを通じて部品メーカーの方々とお会いする機会が増えました。彼らは単独で新しいビジネスを展開しづらいという悩みを抱えていますが、コミュニティの仕組みを使えばいろいろなチャンスを得られるはずです。ifLinkはそのための重要なプラットフォームだと言えるでしょう。私たちの協業を通じてその価値を示していきたいですし、被介護者の方々が『今日できることを明日もできるようにする世界』を実現していきたいです」

日本のIoT市場拡大を牽引するオープンコミュニティとifLink。そのコミュニティの中で共創して重要な社会課題の解決に向けて動くISE。双方の取り組みからは目が離せません。

ifLinkオープンコミュニティ https://iflink.jp/

100社超におよぶメーカーや団体などが参加し、IoTの可能性を模索するコミュニティ。各団体が有する技術やサービスが100種類以上登録され、随時増加しています
千葉恭平

 

 

※ifLinkは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の登録商標です。worktransform、ライトフォーあんしん/Right4ANSHIN/R4Rは株式会社情報システムエンジニアリングの登録商標です。
企画協力:株式会社情報システムエンジニアリング

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