2022.12.16
特別企画 [PR] Web Designing 2023年2月号
現場の想いを実現する 複雑な現場こそコミュニケーションの加速を!
情報過多時代の企業におけるコミュニケーションの理想と現実
これからの課題解決には多様な視点に基づく独自技術やアイデアが融合できる環境が不可欠です。そこで(株)情報システムエンジニアリングが注目したのが、多様な組織がIoTに関わる技術やアイデアを持ち寄り、その活用方法を考える「ifLinkオープンコミュニティ」。独自のAI活用技術を持つ情報システムエンジニアリングが展開するworktransform®との取り組みは、大きな社会課題を解決する可能性を秘めています。
【CONVERSATION 1】AI技術 ╳ IoTで現代社会最大の課題に挑戦
(株)情報システムエンジニアリング(以下ISE)が提供する「worktransform®」は、AIが状況を判別し、ストックされた情報の中から必要な情報を必要な形で提供できる技術で、効果的なマニュアル活用や、遠隔業務・非対面業務の実現などへの展開が期待されています。ISEはこの技術がより多くの業界で活用されさまざまな課題解決に貢献すること、そして自社技術と商材の開発を目標として「ifLinkオープンコミュニティ(以下コミュニティ)」に加入、IoTの視点からのアプローチにチャレンジしています。「ifLink」とは、既存のIoT機器やWebサービスをモジュール化し、「IF(もし~ならば)」という条件と、「THEN(~する)」という結果・動作を組み合わせることで、新たな可能性を生み出すIoTプラットフォームで、例えば「一定エリアに人が近づいたら」というIFと、「ライトが点灯する」というTHENが結びつくと、人感センサーのようなIoTが考えられます。
ISEはそんなifLinkの大きな可能性に注目しました。worktransform®を利用したもののひとつに「Right4T™(ライトフォータスク)」という人材の育成期間短縮に貢献するソリューションがあります。このRight4T™とifLinkを連携させ、さまざまなBtoB現場の課題解決に貢献できるとISEは考えています。その中でまず注目したのが、医療・介護の現場です。
【CONVERSATION 2】常に変わる状況下で適切な対応が求められる医療・介護現場
医療・介護の現場における大きな課題の1つに「人手不足」があります。課題そのものはこの業界に限った話ではありませんが、こと医療・介護の現場では患者や利用者の状態や現場環境が突然変化することも多く、その都度取るべき対応や守るべきルールも変わるだけに、画一的な対応ではなくしっかりとノウハウや知識を身に付けていなければなりません。しかし慢性的な人手不足は、現場の対応力の低下、ノウハウや知識の共有・伝承、学習機会の減少、人材育成の効率低下を引き起こし、やがて組織や業界自体の発展にも悪影響を及ぼす大きな問題となります。
その課題の解決手段として、ISEはRight4T™の活用を考えました。現場に関する画像、音声、文字情報を網羅的に取得し、それをAIが判定して適切に分類、状況に応じてレコメンドするこのソリューションを用いることで、必要な時に必要な内容を提示し、知識やノウハウの少ないスタッフをサポートしたり、教育の効率を高めたりする効果が見込まれるのです。
また、ISEが医療・介護の現場に着目した理由はもう一つあります。それは、同社がこれまで「特別な人だけが使う特別な技術を一般的な情報として提供する」ことに従事してきたからだと、代表取締役社長の黒田聡氏は言います。
「従来、医療や健康に関して一般の人が専門家に口出しするようなことはできませんでしたが、今後は在宅医療や在宅介護が当たり前になり、専門家が常に現場にいるのが難しい状況が訪れます。つまり、コンピュータや携帯電話などと同様、医療や健康に関する情報も急速に一般化していくのです。責任は専門家が取らなければならないのに、現場が遠くなってしまう状況下において、どのようなコミュニケーションや情報提供が必要かということに対して、業界が強い関心を抱いているのです」
医療・介護の現場での切実な人材不足
【CONVERSATION 3】「レシピ」の量産が対応力向上と人材育成につながる
情報をレコメンドするソリューションであるRight4T™は、ifLinkと連携し、医療・介護の現場で発生した「IF」に対して最適な「THEN」を提示することで、医療・介護現場の課題解決にアプローチをしています。コミュニティ事務局の村上瑛氏は説明します。
「例えば『バイタルセンサーで取得する特定の値が閾値を超えたら』『発熱検知センサーで患者の体温上昇を検知したら』などのIFが得られたら、登録された対応方法『THEN』をレコメンドします」
この仕組みは、すでに実用化されている業界があると、コミュニティ会員の中田修央氏は補足します。
「ある変化が起きたときにアラートを出すのは、製造業における故障予知の世界です。この場合は故障が発生するギリギリを見極めるために使われますが、医療・介護の現場では専門家にスムーズな対応を促したり、ミスの予防に役立てたりするという具合です」
このIFとTHENの組み合わせをifLinkでは「IoTレシピ」と呼びますが、予測できるレシピをあらかじめ登録しておくと、現場の状況に応じて最適解が出されます。例えば自宅介護を要する方のサポートを担当する介護士が、その方の日々チェックすべきポイントを遠隔地にいる医師と相談しながら定め、それらの「普段の状態」を継続して測っていきます。そして平常時とは違う値が検出された際にその値や状況をRight4T™が読み取って「IF」として伝え、ifLinkが用意するIFとTHENのマッチングシステム「ifLinkルールマネージャ」においてレシピを参照、適合する「THEN」(対処方法)をRight4T™に返します。それをRight4T™が現場の介護士に適切な情報として表示するという具合です。
レシピが増えるとそれだけ現場での負担軽減と対応力が向上するだけでなく、その経験は知見となり人材育成にも繋がります。つまり、「BtoBtoC」ビジネスの「BtoB」の領域において、現場のサービス提供者に各状況の“パーソナライズ”された情報提供を実現しているということです。
もちろん、闇雲にレシピを増やしても対応できるだけの技術がなければ効率的な解決は実現できません。コミュニティには、現在約140組もの企業・団体が会員として所属しており、会員企業が保有するデバイスとサービスをレシピで組み合わせることで、ifLinkが、現場の課題に応じたサービスを迅速に展開できるプラットフォームになります。こうした環境は、「『現場の想いを実現する場』をつくるために、コミュニティを活用して切磋琢磨したい」というISEにとっては、まさに理想的なものでしょう。
ISE × ifLink エッセンシャルワーカー現場での仕組みイメージ
【CONVERSATION 4】適切なタイミング・内容・量・言語のコミュニケーションを広く実現したい
現時点で、ifLink ╳ Right4T™による医療・介護現場へのアプローチは今後の事業化に向けて細部を詰めている状況ですが、すでに他の分野にも展開できる手応えを掴んでいると、ISEの濱陽介氏は口にします。
「医療・介護の世界での経験がトリガーとなり、他の業界や現場にも活用できると感じています。例えば教育の現場でレシピを用意しておけば、経験の浅い現場の先生にアドバイスができますし、効果の高い授業も実現できます。また、多数の児童や生徒を少数の教師が一人ひとりケアしていくのにはやはり限界があり、これもセンサーなどを活用して『IF』と『THEN』の組み合わせを練っていくことで、例えば危険回避などに役立てられるのではないかと考えています」
ifLinkでは、Right4T™との取り組みのように、多様な分野に貢献していくことを目指していますが、この考えの根底には、コミュニティを立ち上げた大手電機メーカー・(株)東芝の理念が深く関係しています。中田氏は目指すビジョンを語ってくれました。
「東芝は『人と、地球の、明日のために。』というPurpose(存在意義・志)を掲げ、人々の生活や地球環境に貢献するために、医療機器、家電製品、デジタル技術に限らずさまざまな社会インフラ技術を磨いてきました。そこで得た知見やノウハウを社会に役立つソリューションとして提供したいという思いが、このコミュニティの創設に関係しているのです。ISEとの取り組みに代表されるように、今後もさまざまな分野に貢献するプラットフォームとして育てていきたいと思います」
IoTやWebサービスが社会を大きく変える…両者の取り組みは、その実現に向け着実に進んでいます。
ifLink ╳ Right4T™が貢献できるさまざまな分野
※ifLinkは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の登録商標です。worktransform、ライトフォータスク/Right4T/R4Tは株式会社情報システムエンジニアリングの登録商標です。
企画協力:株式会社情報システムエンジニアリング
令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成