2022.12.16
特別企画 [PR] Web Designing 2023年2月号
古さと新しさが融合した空間の魅力を伝える表現とは コンサルティングやデザインからドメイン名まで クライアントの意向を汲み上げるWeb制作
「料理谷邸 葛籠(つゞら)」は、結婚式場や料亭として使われていた料理旅館が生まれ変わった宿泊施設だ。築130余年の建物を改修したこだわりの空間の魅力を伝えるべく制作されたWebサイトには、どのような狙いが込められているのだろうか。葛籠 亭主のユン・ホンジョ氏、ブランディングを手がけた冨山事務所の冨山康公氏、Web制作を手がけたフルスケールの冨山裕司氏に話をうかがった。
Webとリアルで差異を感じないビジュアルやデザインに
熊本県の城下町にある築130余年の元料理旅館を改修して誕生した「料理谷邸葛籠(つゞら)」は、古き良き趣とモダンさが融合した宿泊施設だ。その特徴を葛籠亭主のユン・ホンジョ氏はこう話す。
「葛籠は歴史的建造物としての昔ながらの良さを活かしつつも、新しさが共存する施設です。ドミトリーとハイクラスな貴賓室という、価格帯に幅のある部屋のタイプがあることも特徴です」
Webサイトをはじめ、葛籠のブランディングは冨山康公氏が手がけた。
「安価なドミトリーと比較的高価な貴賓室がある施設のため、二項対立的な見せ方をすることで見る人をゾクッとさせたいと考えました。また、『清く正しく謎めかしく』というテーマを設定し、Webサイトも含めたクリエイティブでは歴史的価値からくる重厚感に加え、建物の入り口にネオンサインを置くなど少しの怪しさや謎めかしさを入れるようにしました」
二項対立的な特徴は、Webサイトにとっても重要な要素となった。制作を手がけた冨山裕司氏はこう話す。
「Webサイトを見たときに、高い宿だという印象や、安い宿だという印象に偏り過ぎないよう気をつけました」
そうした印象に大きく作用するのが、動画や写真などのビジュアルだ。実際よりも明るくしたり、広く見せたりはせず、空間が持つ“素の色気”を表現することにこだわったという。
「Webサイトの写真や動画ではとても良い雰囲気に見えたのに、実際に来てみたらイメージと違ったという宿もあるせいか、うちのお客様には『WebサイトやSNSで見たままの良い空間ですね』と言っていただけていて、その点はおおいに満足しています。主要ターゲットの一つである若い女性客はWebサイトやSNSで知って予約いただくことが多いので、とても重要なポイントでした」(ユン氏)
ドメイン名からも日本らしい趣と謎めかしさを
葛籠という名前は、かつて結婚式場として使われていた時代に、花嫁が嫁入り道具を入れるのに葛籠を使っていたことに由来している。
「宿が今までどう使われてきた場所かということから着想し、日本らしさも表現できると思いこの名前を提案しました」(康公氏)
「上質な竹で編まれた葛籠は丈夫で100年以上も保ちます。葛籠のように宿も100年以上残せたらという意味でも、いい名前だと思いました」(ユン氏)
そうして宿の名前が決まり次第、ドメイン名「tudzura.jp」の登録を行った。
「施設やサービスの名前が決まったら、すぐにドメイン名を登録するようにしています。ドメイン名が空いているか否かも名前を決める要素となりますし、空いていれば押さえておきたいからです」(康公氏)
その文字列「tudzura」では、葛籠(つゞら)の「ゞ」を「zu」ではなく「dzu」にしている点が特徴的だ。
「現代では『づ』と『ず』の発音は区別されませんが、昔は『づ』を『dzu』と発音していたそうです。また、『ゞ』を普通の文字列で表現しては味気ないと考え、『tudzura』としました。個性のある文字列はSEO対策としてのメリットもあります」(康公氏)
末尾の「.jp」は裕司氏が提案した。
「日本の趣が表現でき、2文字でリズムが良く、文字の並びのバランスの良さを考慮し『.jp』が最適だと考えました」(裕司氏)
「信頼感の高い『.jp』には清く正しいイメージもあり、遊び心のある文字列で少しの謎めかしさを込め、宿のコンセプトをドメイン名でも表現しています」(康公氏)
「文字列に込めた趣旨も丁寧に説明してもらい、とても納得しています。オープンがコロナ禍になり今は国内のお客さんが多いですが、当初は訪日外国人観光客をメインターゲットにと考えていたので、『.jp』についても日本の宿であることがすぐわかりふさわしいと感じました」(ユン氏)
海外から日本への入国制限が緩和され、葛籠も訪日外国人観光客の予約が増えてきたという。彼らにもきっと、Webサイトやドメイン名から葛籠の趣や少し謎めかしい雰囲気が伝わっていることだろう。
企画協力:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
https://jprs.co.jp/