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Web Designing 2022年10月号

【コラム】ジェンダーバイアス対処法 今号のお題 [リスク管理]

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

今号のテーマは「セキュリティとリスクマネジメント」ということで、何について書こうかなあと悩みつつ、気分転換にゲームでもしようと、久々にPlayStation 4をつけたんです。そうしたらなぜかPlayStationのアカウントにログイン出来ず、パスワードリセットのメールも来なくて、おかしいな、とメールを漁っていたら5日前にアカウントが乗っ取られていたことが発覚しました…。

そんなわけでのっけから体張ってオチをつくってしまい、どうやら私にはセキュリティを語る資格は無いようなので、リスクマネジメントの方の話にすり替えていきたいと思います(皆様、2段階認証設定は忘れずに…)。

最近私が仕事をする際に気にかけているのは炎上のリスクマネジメントです。炎上というとちょっと大げさなのですが、何かを公に発信したり提供したりする際に、今は細かいことでもとにかく騒がれやすい世の中になっています。ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)やジェンダー問題、近年ではコロナウイルスやワクチンネタなど、主義主張が強めに存在する領域に関しては、一歩でも間違えるとすぐにSNSで騒がれる傾向にあります。

私はメディアサイトを運営したり、イベントを企画したりと、一般に向けてコンテンツを発信する立場なのですが、これらの話題を扱う時はもちろん、そうでない時もどういった捉え方をされるかわからないので、かなり気を遣っています。少し過敏になってしまっているところもあるかもしれないのですが、世の中で炎上しているケースを見ると対岸の火事ではないのかも、と思うことがあります。

特に私は男性なので、ジェンダーに関する感覚はすごくセンシティブになるようにしています。私は昭和生まれの男性で、いわゆる古い日本の価値観の中で違和感なく生きてきているので、おそらくジェンダーバイアスを持っている人間です。ただ、社会に出てからは女性向けのコンテンツ制作に携わったり、女性社員の方が多い会社でマネジメントをしていたので、それなりに価値観はアップデートしているつもりです。それでも、ふとした時にどこか昔からの固定観念が出てしまわないか、正直不安な部分がありますし、もしかしたら身近な人が優しいだけで、やらかしている場面もあるかもしれません。

こうしたいわゆるジェンダーバイアスは、コンテンツやサービスをデザインする際にも支障をきたします。男性だから、女性だからと決めつけてデザインしてしまうこと自体、時代錯誤だという世の中です。たとえば女性蔑視だと炎上する広告キャンペーンやアプリ(誰もが聞いたことがあると思いますが)、きっと制作者も本来は善意でやっていたはずです。単純に、さまざまな状況の方がいるという想像力が欠如していて、炎上してしまうことがほとんどなのではないでしょうか。

では私がこの問題にどう対処しているかと言うと、シンプルにチームメンバーのダイバーシティを重視するようにしています。これは男女比はもちろんですが、年齢層に関しても同じです。たとえば、私は男性なので女性と一緒に物をつくることで迂闊なやらかしはグッと減ります。また、40歳近いおじさんである私と20代前半の方では物の見方や感じ方が違うので、最近は若い方をチームに引き入れてみたりもしています。

普段から視点の違う方と一緒に話すことで、欠如している想像力が養われると思います。特に最近ではフィルターバブルやエコチャンバーと言われているように、自分と趣味嗜好が似たような方同士で交友関係が閉じがちなので、進んで違う視点を取り込みに行くことはとても大事だと考えています。

親しいデザイナーの方がおすすめしていた本なのですが、世の中がいかに男性中心で設計されているかが紹介されています。僕のように女性視点をもっと持ちたい方におすすめです 『存在しない女たち 』キャロライン・クリアド=ペレス著/神崎朗子訳/河出書房新社
ナビゲーター:三瓶亮
株式会社フライング・ペンギンズにて新規事業開発とブランド/コンテンツ戦略を担当。
また、北欧のデザインカンファレンス「Design Matters Tokyo」も主宰。前職の株式会社メンバーズでは
「UX MILK」を立ち上げ、国内最大のUXデザインコミュニティへと育てる。ゲームとパンクロックが好き。
個人サイト: https://brainmosh.com Twitter @3mp

掲載号

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