サイトの老朽化と保守管理|WD ONLINE

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Web Designing 2022年10月号

サイトの老朽化と保守管理

予算がない、時間もない、知識もない! DXなどはるか遠く、Web活用の素地を耕すところから…が地方のWeb制作の現実です。こうした現状を打破するため、『Web制作・運用バイブル』企画が新たに始動しました。本コラムでは、監修を担当したアルテバレーノ(株)の解説で『バイブル』の内容をチラ見しながら、クライアントの事業に“本当に貢献するための”Webディレクションについて考えます
Illustration:高橋 美紀

『Web制作・運用バイブル』とは……
中小企業を中心とした発注者向けの、Web施策の開始・依頼前に知っておいてほしいことをまとめたWeb施策の解説本です。サイト制作のフローやSNS運用、数字目標の立て方など、現場のディレクターが苦慮する「あるある」問題を、図版中心に、細かく丁寧にかみ砕いて説明しました。お客様向けの説明用資料として、一冊あると便利です。

 

コンピュータやインターネットの技術は日進月歩、どんどん技術は変化していきます。そしてそれは、WebサイトやWebサーバも無関係ではありません。変化への対応を余儀なくされるのです

 

マイホームを買うとしたら、資金計画をどう考えますか? 頭金や家そのものの購入費だけに考えが行きがちですが、もう少し長期的に考えると、固定資産税や、老朽化したときの修繕費なんかも必要になってきますよね。Webサイト制作も同じことで、最初の制作費だけでなく、固定費(ドメイン・サーバ利用料)も必要ですし、なにより、家以上にすぐに老朽化します。

特に注意してほしいのが、WordPress等の「システム」を使うときです。システムは性質上、セキュリティ対策を怠ると、情報を盗まれたり、サイトが改ざんされたり、容易に危険な事態に陥ります。また、攻撃手法は常に進化しているので、対策側も日々アップデートが必要です。

Web制作では、初期の制作費だけでなく、その後のメンテナンス費も考えておきましょう。

ここ数年でスマホ対応が必須になったように、Webサイトを取り巻く環境や技術は、非常に速いスピードで移り変わります。技術的な老朽化に対応するため、中長期的なメンテナンス費は予算計上しておきましょう

 

 

サイトの「廃墟化」という言葉もたまに聞きます。確かに、最新のお知らせが2014年とかで止まっていると、そもそも営業しているのか不安になりますよね。

こうした廃墟化の原因は、ずばり「自社サイトを見ていないから」です。正確には、何か変更があったら「サイトも更新する」という、意識づけができていないからです。

例えば商品の値上げをしたとき。飲食店や美容室のサイトでは、店舗の紙のメニュー表は書き換えたのに、サイトの更新は忘れていたことで、サイトを見て来店したお客様とトラブルになるという事例はよくあります。

事業を続ける中で、サイト更新が不要ということは、まずありません。価格や取扱商品、連絡先は、情報が古いと問い合わせに影響が出ますし、大型連休時は営業日程も掲出してもらえると助かりますよね。サイトの廃墟化を避けるには、こうしたちょっとしたことを、しっかり更新することが必要です。そして更新が必要になったときのため、ある程度の保守管理費は準備しておきましょう。

最近はなんでも、まずはネットで情報を調べる時代。サイトの情報が古いとトラブルの元にもなります。些細なことでも、店舗等にお知らせを出したら、「あ、サイトも更新しなくちゃ」と思う癖をつけましょう

 

掲載号

Web Designing 2022年10月号

Web Designing 2022年10月号

2022年8月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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目次

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インシデントから学ぶ
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Web制作・運用者にとって無視することができないもっとも大きな問題の1つ、セキュリティ。多様化するWebサイトの利用や閲覧者のタッチポイントによって、サイバー攻撃の手口もますます複雑化・巧妙化している現在、Webビジネスを営むためにはさまざまなポイントに注意しなくてはいけません。また、インターネット上への情報発信が安易になったことで企業内での不祥事が簡単に拡散するようになり、より一層、リスクマネジメントの取り組みも必須になっています。


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・メールフォームから不正侵入!送信情報が抜き取られた!
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