2022.07.12
サーバの契約状況を必ず把握しよう
予算がない、時間もない、知識もない! DXなどはるか遠く、Web活用の素地を耕すところから…が地方のWeb制作の現実です。こうした現状を打破するため、『Web制作・運用バイブル』企画が新たに始動しました。本コラムでは、監修を担当したアルテバレーノ(株)の解説で『バイブル』の内容をチラ見しながら、クライアントの事業に“本当に貢献するための”Webディレクションについて考えます
Illustration:高橋 美紀
『Web制作・運用バイブル』とは……
中小企業を中心とした発注者向けの、Web施策の開始・依頼前に知っておいてほしいことをまとめたWeb施策の解説本です。サイト制作のフローやSNS運用、数字目標の立て方など、現場のディレクターが苦慮する「あるある」問題を、図版中心に、細かく丁寧にかみ砕いて説明しました。お客様向けの説明用資料として、一冊あると便利です。

ホームぺージについて、最近は新規制作のご依頼は少なく、リニューアルのご相談がほとんどです。そこで、制作会社として最初にお伺いしたいことが…「サーバ情報」、わかりますか?
「サーバ情報」とは、いわば、ホームぺージが建っている土地の権利書です。これがないと改修工事ができない。
レンタルサーバを使っているケースが多いと思いますので、その場合は、FTP情報と呼ばれる3点セット、または、コントロールパネルのログインID/パスワードが必要です。
知らない、見たことない、という場合は、(連絡しにくい、という事情もあると思いますが…)既存のホームページを担当した制作会社に確認をしましょう。それでもわからない、教えてもらえなかったという場合は、リニューアルを相談している制作会社に、相談してほしいのです。

サーバ情報を「教えてもらえない」場合、そもそも「リニューアルが許可されていない」可能性があります。
パターンは2つあって、1つは「家具付き賃貸」型のホームぺージ作成サービスの場合です。近年、あらかじめ用意されたデザインを使って、制作知識がなくても簡単な操作でホームページを使えるサービスも増えています。しかし、こうしたサービスでは、デザインテンプレートや作成機能という「家具付き」で提供されている分、その範囲外での自由な改修は制約されている場合があります。
もう1つが、制作会社が所有しているサーバに、御社のホームページが建てられているパターン。この場合、実質的に制作会社の乗り換えが許されていません。また、既存ホームページのデータやデザインを譲渡してもらえるかは、契約や仕様によります。
こうした場合、安易に解約するとホームぺージがなくなってしまう危険性もあるので、サーバ情報が不明な時はまず、現在の契約内容と解約時にどうなるかを確認しましょう。
