“魅力を伝える”ビジネス文書では 「修飾」の正しい扱いがキモ|WD ONLINE

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Web Designing 2022年8月号

“魅力を伝える”ビジネス文書では 「修飾」の正しい扱いがキモ

商品やサービスの特徴はなるべく多く伝えたいもの

Webサイトの中の文章を含むビジネス文書の役割は、ほとんどが「情報を伝えること」です。例えば皆様が、企業から制作発注を受けたWebサイトで、ちょっとしたリード文などを書くことになったとします。サイトは「食品の定期配送サービス」を紹介するものだったとしましょう。その導入文は、やはりそのサービスのパーパスであったり、ビジョンであったり、メリットであったりを伝えるものであるべきでしょう。SNSなどでは、「中の人」のブランディングを効かせまくって、ごく個人的な嗜好を書くこともあるかもしれません。「このサービスの餃子、めちゃくちゃウマいんだよねぇ!」。しかし、それはあくまでも特殊なケース。読み手にサービスの本質を知ってもらうためには、書き手の主張をいったん横におき、まずはそのサービスの特徴をしっかり伝えるべきなのです。

その際に必要なになるのが「修飾」です。修飾とは、文法で、ある語句が他の語句の意味を限定したり詳しくしたりすること。情報を付加することで、そのサービスの特徴がソリッドに浮き立ってくるわけです。

具体的には「“リーズナブルな”食品の定期便サービス」とか「“安心・安全な”食品の定期便サービス」というようなもの。このように、「モノ・コト」を文章で伝えようとするとき、その特徴を伝える「修飾語」は欠かせません。では、あるモノを形容するとして、複数の修飾語を使いたい場合、みなさんはその順序をどう決定しますか?重要度? 読みやすさ? いえ、違います。修飾語の順序を決めるルールはざっくり2つ。そのルールだけ知っておけば、修飾語の順番を間違えて、わかりにくい文章になってしまう事態を防げます。難しいことはありません。キーワードは、2つの「大→小」。きっと、本稿読者の皆様は、無意識的に修飾の順番を整え、文章を構築しているはず。しかし、基本的なルールさえ知っておけば、逆にそのルールから逸脱した印象的な文章を構築することも可能になります。

大きく分けてルールは2つ形容はグッとわかりやすくなる

「赤いリンゴ」「豪華なドレス」。一つの名詞に一つの形容、これはなんら問題ありません。難しいのは、複数の修飾語が付くケースです。例えば3つ形容があるとどうでしょう。「商業施設とオフィスが一体となった」「22階建ての」「台東区上野にある」を、「ビル」に掛けて説明するとしたら、どんな順番が適切でしょうか。

【悪い例】商業施設とオフィスが一体となった22階建ての台東区上野にあるビルで、私は働く。

【良い例】台東区上野にある商業施設とオフィスが一体となった22階建てのビルで、私は働く。

悪い例はそのまま配置。良い例は、3つの形容をマクロ視点からミクロ視点へ、テーマの大きさ順に並べています。これで80点、かなりわかりやすいと思います。ただ、このままでは「商業施設」だけが「台東区上野にある」と誤読されるリスクがまだ少し残ります。その回避手段は「読点」。「台東区上野にある、商業施設とオフィスが一体となった22階建てのビルで、私は働く」。この「、」により、「台東区上野にある」が修飾する語句が、その先の「ビル」に転換されたわけです。

では次。「万年筆」に、「黒い」「父親から譲り受けた」「モンブラン製の」を使って形容してみましょう。

【悪い例】モンブラン製の父親から譲り受けた黒い万年筆が、私の宝物だ。

【良い例】父親から譲り受けたモンブラン製の黒い万年筆が、私の宝物だ。

これはシンプルです。長い修飾から短い修飾へ、修飾句の長さ順に並べただけ。これで文章はシャープになります。悪い例は毎日モンブランケーキしか食べていない父親のことを、「モンブラン製の父親」と呼んでいるようですね。では、この「長短」ルールに先の例を当てはめてみるとどうでしょう。

【悪い例】商業施設とオフィスが一体となった台東区上野にある22階建てのビルで、私は働く。

わかります。わかりますが、やはり「小さい視点」のあとに台東区上野という「大きなテーマ」が続いているのが落ち着かない。つまり、「マクロ→ミクロ」のほうが「長い→短い」よりも上位レギュレーションであるとお考え下さい。

さて。「本誌の編集長は岡さんです」。この文章の「岡さん」に次の修飾を加えましょう。「責任感のある」「部下からも上司からもものすごく受けが良い」「美男子の」が選択肢。いかがでしょう? 答えは、「まずこれら修飾の妥当性から見直そう」です。

世を見渡せば、過剰な装飾品で身を飾り、その結果コンセプトを見失っている人は結構いるものです。ビジネス文章も同じこと。一定のレギュレーションで修飾を重ねないと、伝えたいことがどんどん見えづらくなっていくものです。ただ、上のカットの岡さんは意外にカッコいい気も…。
まついけんすけ
株式会社ワン・パブリッシング取締役兼メディアビジネス本部長。20年間雑誌(コンテンツ)制作に従事。現在はメディア運営のマネジメントをしながら、コンテンツの多角的な活用を実践中。自社のメディアのみならず、企業のメディア運営や広告のコピーライティングなども手掛ける。ウェブサイトのディレクション業務経験も豊富。

掲載号

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Chapter02 AWSを導入・運用する
●AWS導入・移行から運用までの手順と考え方
●クラウド初学者のためのAWS学習ガイド

【制作視点で考えるAWS】
●開発の前線から見るAWSの影響と今後

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