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Web Designing 2022年6月号

自社の戦略を立てよう! 勝機を導くWeb戦略 7つの方法

Webサービスは、確固たるビジネス戦略があって初めて武器となる。本連載は、ネットビジネスで企業を成長させる過程を描くドキュメントである。
Illustration:國廣 稔

(株)セブンデックス
https://sevendex.com
UX/UIデザイン、ブランディング、マーケティングを主軸とした、総合支援を行うデザインコンサルティングファーム。東証一部上場企業からスタートアップまで、事業課題を解決。

 

市場のKSF(勝ち筋)が見えたからこそ自社の戦略に落とし込める

制作会社とクライアントをつなぐサービス「TWeb」を提供するW出版株式会社。さらなる成長を目指すも様々な課題にぶつかる。そんな中現れたのがコンサルティングファームのセブンデックスだった…この物語は7つのメソッドを使ってサービスを成功へ導くまでの物語です。

第3回は戦略立案編。

前回、市場リサーチによって勝ち筋を見つけることができました。今回は現在の状態から見て望むべき勝ち筋を掴むまでの道筋に横たわるギャップをどう埋めていくか、戦略を立てます。戦略は一般的に、ビジネスの方向性を示す際にさまざまな手法を用いて立てていきますが、前提として市場を理解した上で、リソース等を加味した最適解を導かなければなりません。

そこで、今回は勝ち筋と自社の差分を分析する方法から、リソースを加味した実現可能性の高い計画の立て方までをご紹介します。

TWebにとって最適な戦略は導けるのでしょうか?

ビジネスの世界で「戦略」という言葉をよく聞きますが、実際に何を考えればいいのでしょうか。それは、自社サービスの現在位置と求める勝ち筋とのギャップを埋めるということです

 

己を客観的に知ることが戦略立案の第一歩

筒見●前回、勝ち筋を「記事の信憑性や再現性を担保する形でコンテンツを提供し、1記事あたりの制作コストを抑える」と定めましたね。まずは勝ち筋に対して自社がどの様な状況に置かれているかを知りましょぅ…。

岡本●(語尾が聞き取れない…)自社のこともしっかり調べるんですね…!?

中村●もちろん! 自社のことは意外と盲目的になりがちです。客観視することで以外な発見があるものですよ。

筒見●客観視するためによく使う手法が「競合比較分析」です。他社のメディアがどう信憑性を担保しているか、再現性を持たせているか、調査します。まず、メディアの印象など定性的な部分をヒューリスティック分析しましょぅか…。

岡本●ヒューリスティック分析?

筒見●調査項目を決めた上で、主観を元に言語化していく作業です。定性情報に対して素早く仮説を立てられるのが特徴です…。今回、定量的な部分は「ahrefs」という競合分析ツールを使いましょう。競合がどのチャネルからどんなワードでどれくらいアクセスがあるか、丸裸に出来るんですよ…フフ

岡本●ヒェッ、凄い!

筒見●他社と比べて検索経由のアクセス数が少ないですね。SNSでのシェアもあまりされていない。指名検索も少ない。自社の現状が見えてきましたね…ホホホ

中村●後は調査結果と自社の現状を照らし合わせれば完了です。ここから戦略を立てていきますよ~!

リサーチ❶自社分析

 

 

勝ち方は1つじゃない…!

岡本●ここからやっと戦略、ワクワク!…ところで、今までの情報を使って、どうやって戦略を立てればいいんだっけ…!?

中村●では、改めて戦略についておさらいしましょう! 戦略とは、「市場の勝ち筋と自社の置かれている状況のギャップをどう埋めるか」その道筋を指します。今回、自社サービスを客観的に見て、どんなギャップがあると思いましたか?

岡本●ウチの記事は、その業界や分野のプロフェッショナルに取材をし、それを元に記事としてまとめているので、記事の信憑性は間違いないです! ただ、ハウツーやノウハウ的なナレッジ記事になると、実際に試した人が書いた記事に比べると再現度は低いですね…。あと、雑誌用に取材したものをTWebに活用できてないので、非効率な状態ですね。

中村●取材で価値ある情報を収集しているのに、活用していないのはもったいない! 取材のリソースを持っていることは市場でも優位なので、しっかり活用しましょう! 再現性の高い記事に関しても、取材をベースにしたり、PRの一環として寄稿してもらったり、SEO強化を目的として割り切るなど、ギャップの埋め方はいくらでもありそうですね!

岡本●なるほど! 闇雲に理想を掲げるのではなく、お金、人、環境、今のリソースを活かした最適解が大事なんですね!

筒見●戦略立案まであと少しです…ここからやるべきことを具体的に落として、タスクの優先度決めを行いましょう…ヒェヒェヒェ

リサーチ❷戦略の種を出す

 

シンプルな戦略で市場を押さえる!

岡本●さて、どうしたものかなぁ…

筒見●どうしました…?

岡本●雑誌用の取材内容を活用して、取材リソースを活用した記事をつくって、寄稿の仕組みをつくって、SEOも強化して…どれから手をつければいいかわからなくなってきちゃいました…

筒見●やりたいベースで考えるとあれもこれもと、どんどん広がっちゃいますよね…。戦略の基本は「やらないことを決める」。何をやらないかから絞ることでやるべきことがシンプルになるんですょ…。今回の場合、最終的には成果に繋げたいわけですが、現状はそもそもアクセス数が少なすぎますよね。記事も安定して出せていない。ですので、まずは記事を出すことに注力しましょうか…キラッ

岡本●成果は無視しちゃっていいんですかね…?

筒見●無視するわけではなく、優先度を下げただけです。整理方法としてKPIツリーがおすすめ。アクセス数を当てはめることで、どのKPIを伸ばす事が一番インパクトがあるか、ひと目で分かりますょ…!

岡本●お~、確かに売上以前に、記事数の担保が必要ですね。そうだ、効率よく記事を出すために、今まで雑誌用に取材した内容を記事として載せるのはどうでしょう?

筒見●読み応えのある記事を一気に増やせるので良いですね。さらにSEOを意識してリライトも行いましょうか。初手はこの2つ。地盤を固めつつTWebらしさを定義して、メディアブランドを確立、ファン形成を行いましょぅ…!

リサーチ❸優先度から戦略を決める

 

掲載号

Web Designing 2022年6月号

Web Designing 2022年6月号

2022年4月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

Googleアナリティクス4で変わるITビジネス

サンプルデータはこちらから

Web Designing 6月号(4月18日発売)特集
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2023年夏までのカウントダウン。分析・解析の常識が覆る!

分析【まず複雑なデータを読み解けるか】
解析【最適解を導き出せ】
レポーティング【伝わるレポートの基本は4ページ】

<緊急報告>
Googleアナリティクス 4
UA(ユニバーサルアナリティクス)廃止が決まり業界騒然
Googleアナリティクス新時代にどう対応する?
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2021年に突然リリースされたメジャーバージョンアップ版のGoogleアナリティクス4。
昨今の「クッキーレス」や個人情報保護の動きに呼応するように、
トラッキングの方法をはじめ全てが一新したGAは、どんな使い方を想定されているでしょうか。
それによりIT業界はどのような流れになっていくのでしょうか。
緊急特集として追究します。

メイン特集は、「分析・解析・レポーティング」。

昨今叫ばれている「DX(IT)人材育成」。その主眼は「社員のITリテラシー向上」であり、
その具体的なポイントの1つとして「デジタルデータの分析力」があります。

DXを至上命題とした企業の成長は「正しい把握とレポーティング」が必要条件です。

一方、「分析」「解析」はよく聞くキーワードですが、
その実際は、分析と解析の違いレベルで正しく把握されていない状況があります。
まずは「分析」「解析」の正しい理解から、それを行う際の目の付け所と考え方を学び、
実践的な問題でトレーニングしましょう!

そして、「レポーティング」は数字など情報の整理からレポートの体裁、
レポートの活用用途に合わせた見せ方、論法など詳細に解説します。

ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■運命の日に備えよ! GA4の時代がやってくる
・既存のバージョン(ユニバーサルアナリティクス)と何が違う?
・導入が遅れるとどんな問題が起きる?
・大刷新の背景にあるITビジネスの大変革
・ここを押さえろ! 5つのポイント機能
・導入&運用を早期実現させるポイント

■分析してわかる、サイトに求められる役割
■数字を見る前にやるべき自社サイトの現状分析
■的確な現状分析を導くデータの読み解き方
■アクセス解析でサイトの価値を上げる
■Web解析術 再入門!
■4ページで伝える・伝わる!レポート作成
■超実践的「改善提案書」の書き方
■あなたの分析力はどれくらい?Webアナリスト検定にチャレンジ