2021.06.18
特別企画 [PR] Web Designing 2021年8月号
“ECバブル”だからこそ見極めたいドメイン名の選定と安全性 立ち上げ時に知っておくべきECサイト構築の秘訣
新常態の世の中にあって飛躍的に成長を遂げているEC業界。市場の成長は販売事業者やECサイトの構築・運用を手がけるWeb制作会社にとっては歓迎すべきものだが、急拡大中だからこそ疎かにしてはならないことにも目を向ける必要がある。今知っておくべきECサイト運営のポイントについて、日本のEC業界を牽引するJECCICA(一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会)で代表理事を務める川連一豊氏に話をうかがった。
バブルに沸くEC市場の潮流とドメイン名の重要性
非接触が推奨される世の中の到来でEC市場は大きく成長し、“バブル”を迎えている。パソコンを持たない新規ユーザーが増えたため従来以上にスマホサイトからの利用が増え、ECサイトをスマホ向けのみで構築する企業もあるという。また、高齢ユーザーも増え、使いやすく文字が読みやすいデザインへとリニューアルするECサイトも出てきている。ユーザーのニーズとしては、エシカル消費やギルトフリー商品といった社会問題や環境問題、健康などに配慮した商品を求める意識が高まっているそうだ。
こうした潮流を押さえるのも必要ではあるが、ECサイト運用において「ドメイン名」が大事な要素であることは変わらない。競争の激しい今だからこそ、しっかりと考えておきたいポイントだ。ECサイトにおけるドメイン名の重要性を川連氏は次のように話す。
「ドメイン名はインターネットにおける住所であり、いい加減な名称ではユーザーが辿り着けません。特に避けるべきは、ドメイン名を後ほど変更できるだろうと考え、安易な名前で登録することです。基本的には、ユーザーの利便性を考え、現在認知されている企業や代表ブランド名を使うのが良いでしょう。しかし既にECサイトをブランドごとに展開している事例も少なくありません」
川連氏がコンサルティングを手がけた例では、老舗和菓子店「榮太樓總本鋪」※01が、「eitarosouhonpo.co.jp」というドメイン名を新規に登録し、それまで別々のWebサイトが存在していた5つのブランドを統合したECサイトを構築。シングルブランドに統一することで流入を一本化し、検索順位の向上を図っている。
ただ、あえて企業名やブランド名以外のドメイン名を提案する場合もあるという。ECサイトではないが、コンテナハウスの製造等を手がける「コンテナハウス2040.jp」※02のWebサイトでは、「containerhouse」というスペルは誰もが間違いなく入力できる一般的な単語ではないため、同社が取り扱うコンテナが20フィートと40フィートであったことから「2040.jp」というドメイン名を提案した。“特徴”をドメイン名に盛り込むことで、ブランディングに活かしているのだ。
JPドメイン名のメリットと安心・安全への取り組み
川連氏が代表理事を務めるJECCICAが関わるECサイトでは、8割近くでJPドメイン名が使われているという。JPドメイン名を採用するメリットとして「日本発をアピールできること」が挙げられる。
「JPドメイン名を用いることで日本に拠点のあるショップだとわかり、信頼感を持ってもらいやすくなります。越境ECでも日本発であることがわかりやすいため、JPドメイン名を提案することが多いです」
また、個人情報を扱い決済を行うECサイトでは安心して取引できることが重要視されるので、安全性にもこだわりたい。
「個人情報に厳しい情勢を考慮しても、ECサイトではサーバー証明書※03の導入が必須だと言えます。そうしないと、Google Chromeで警告が表示されてしまいます」
最後に、これからECサイトに挑戦する事業者へのアドバイスをうかがった。
「非接触が推奨される状況が終わっても、一旦浸透したECへのニーズはなくならないでしょう。長く続けていけるようヒト・モノ・カネを整備し、『ECサイトを勉強してからチャレンジする』ことが大事です。何のノウハウも持たずに参入して、いきなり売れるようなことはほとんどありません。売れているECサイトには売れるだけの理由があるので先行事例を研究し、時には周囲にアドバイスを請いながら自社のECサイトを客観視してみると良いでしょう」
※01 榮太樓總本鋪(https://www.eitarosouhonpo.co.jp/)
創業200年以上の老舗の和菓子店。自社サイトのドメイン名は.comだが、ECサイトに.co.jpを登録している
※02 コンテナハウス2040.jp(https://2040.jp/)
神奈川県を拠点に、建築専用のコンテナの製造や輸送、デザイン、施工等を手がけている
※03 サーバー証明書(https://jprsサーバー証明書.jp/)
安全で機密性の高い通信を実現するもので、URLは「https」で始まる。詳細は上記Webサイトを参照
企画協力:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
https://jprs.co.jp/