【コラム】コンテンツ疲れから考える“コンテンツ戦略”|WD ONLINE

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Web Designing 2021年4月号

【コラム】コンテンツ疲れから考える“コンテンツ戦略” 今号のお題 [コンテンツ]

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

新常態下で、オンラインコンテンツと向き合う時間が増えてきました。SNSなどでは毎日大量のコンテンツが流れてきますが、私はというと少しコンテンツ疲れのような状態に陥っています。その量もさることながら、それぞれのコンテンツの在り方について疑問を持つことも少なくありません。今回はその疲れの原因を紐解き、今後のコンテンツ戦略のヒントを探したいと思います。コンテンツと言っても幅広いので、主にWebの記事や動画について絞って考えていきます。

まず、私がコンテンツ疲れを実際どういうときに感じるかなと考えたときに、真っ先に思い浮かんだのが「タイトルのミスリード」です。SNSなどでちょっと気になるタイトルのリンクを見かけて、飛んで読んでみたら全然思ってたのと違う、という体験は誰にでもあると思います。これは本当に疲れます。

ミスリードにも種類があり、タイトルで約束した情報がなかった場合と、タイトルの醸し出す雰囲気やノリが中身と違う場合があります。新しさを彷彿とさせるタイトルでも内容がそうでなかったり、いい加減な内容かと思えば意外と真面目で濃いものだったり、タイトルから期待されるものと違ったものが出てくると、その振れ幅に疲れてしまいます。

私も編集長として記事編集時によく「タイトルの期待値コントロール」ができてない、と感じることがあるのですが、コンテンツの性質に即したタイトル付けは非常に大切だと思っています。タイトルがコンテンツの内容を表すのはもちろん、どういうテンションで見てほしいかを表すのもまたタイトルです。

コンテンツを見終わった後にタイトルを見て、「あれ、こんなこと言ってなくない?」「思っていたノリと違ったな」と思うくらいならまだいいのですが、最初から期待した内容や雰囲気があって、そうじゃないと思った瞬間にユーザーは時間を無駄にした、と強く感じてしまいますし、どんな良質なコンテンツでも、即離脱してしまいます。誰もがコンテンツの文脈に沿ったタイトル付けにこだわっていければ、コンテンツの海も少し泳ぎやすくなるのではないでしょうか。

コンテンツ疲れの要因をもう一つ挙げると「テンポの悪いコンテンツ」が多いことです。これは動画に多いかもしれませんが、関係のない前置きが長かったり、自分語りが多めだったりと、早く本題に入ってほしい! と思うことがあります。

繰り返しになりますが、私たちのまわりにはコンテンツが溢れかえっており、人は貴重な時間を使ってコンテンツを楽しんでいます。ですが、発信側の多くは自分たちのペースで丁寧な背景を説明し、自分たちの世界を構築しようとするわけです。例えるなら、カラオケでメンバー全員が終始ミスチルの壮大なバラード曲を歌い続けているかのようです(もちろんそういうコンセプトの集まりならいいのですが笑)。

詰まるところ、自分たちのコンテンツが数多あるコンテンツの中の一つであるという意識が大事なのだと思います。この辺りは人気YouTuberの配信がすごく勉強になります。彼らの台本は単刀直入で、時間もコンパクトにまとめているため論点もはっきりしており、コンテンツ過多な世の中のデファクトスタンダードになりつつあります。

総じて、コンテンツ過多な時代において、コンテンツのつくり方も変わっていくということなのかもしれません。より直感的にわかりやすいコンテンツの設計をすることで、ユーザーは情報の海の中でも欲しい情報にストレスなくたどり着けるようになるのではないでしょうか。

最近話題になっている音声SNS「Clubhouse」も面白いのですが、雑談スタイルゆえにルームのタイトルから話題が逸れがちなので、リスナーの期待感とズレないかヒヤヒヤします。ちなみにこの画面は先日参加したClubhouse部屋ですが、「子育てとデザインについてゆるく話したい」という雰囲気が表現できているライティングで結構気にいっています
ナビゲーター:三瓶亮
株式会社フライング・ペンギンズにて新規事業開発とブランド/コンテンツ戦略を担当。
また、北欧のデザインカンファレンス「Design Matters Tokyo」も主宰。前職の株式会社メンバーズでは
「UX MILK」を立ち上げ、国内最大のUXデザインコミュニティへと育てる。ゲームとパンクロックが好き。
個人サイト: https://brainmosh.com Twitter @3mp

掲載号

Web Designing 2021年4月号

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2021年2月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

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「非接触ビジネス」で勝利する!
CMS 最新ノウハウ

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“新常態”時代のWebサイト運用には「多様なコンテンツ管理」と「セキュリティ」の意識が不可欠!

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2021年に突入しても、未だ先行き不透明な“新常態”の現在。
直接的な接触を極力避けることを推奨される「非接触」前提の中、顧客とのタッチポイントとして
Webサイトの役割はますます高まってきました。

ひとえにWebサイトと言っても、PC、スマホはもちろん、さまざまなデバイスで情報を発信できるようになり、
コンテンツもテキストベースだけでなく動画やライブ配信など、さまざまな手段が主流になってきています。

そう言った中、コンテンツ管理システム(CMS)の重要度はますます高まります。
さまざまな手段で情報を受け取る顧客の状況に合わせて適切な情報を届け、それを管理するには、
CMSを上手に活用することが不可欠です。

また、
「Webサイトに異常が発生したけど、在宅勤務なので社内サーバにあるCMSが触れない!」
などなど。テレワークという新しい働き方は、新たな課題も生み出しています。

さらに今後、個人情報保護の意識も国を挙げて高まり、
一度不祥事を起こすと会社の存続に関わるほどのダメージを受ける可能性も大いに高まってきました。
社内サーバにアップデートしていないCMSを置きっ放しにして許される状況ではもはやありません。
早急に「セキュリティ」について整備しないといけない状況です。


本特集では、そんな「非接触時代のWebビジネス」を効果的に、そして課題も解決しつつ運用するための
“新常態”におけるCMS運用の必須知識を、「選択・導入・運用」「セキュリティ」「リモート体制」「動画」の側面から
見ていきましょう。

さらに、この“新常態”時代に安価・安心・安全な商用CMSも多々紹介しています。
みなさんの会社やお仕事の状況&条件に適したCMSを検討してみてください!


【おすすめピックアップ!】
●非接触ビジネスの最適解! 安心・安全な商用CMS11
●クラウド型&オンプレミス型 CMSのメリット・デメリット
●個人情報保護法改正の衝撃! CMSの最新セキュリティ
●動画・ウェビナーはCMSで効果的に仕掛けよう
など