WD Online

特集一覧 Web Designing 2020年6月号

データでまるわかりECの現状と未来 情報を制する者がECを制する!

世界的な経済危機が囁かれている一方で、これまで以上にECが求められる時代が到来しようとしています。混迷の時代に自分たちが置かれた位置と方向性を正しく読み解く方法を、JECCICA(ジャパンEコマースコンサルタント協会)代表理事の川連一豊さんが解説します。

2020年のECトレンドを読み解く3つの方法

ECトレンドの全体像を知りたい場合には、まず経済産業省や野村総合研究所などが公開しているデータから大きな流れがどうなっているか、そして各EC関連企業のIR情報を見てトレンドを確認し、そして最後に実際の現場を確認するという順番で見ていくことがおすすめです。

これをキーワードとしてまとめると、次の3つに集約できます。

●大きな流れをつかむ
●IR情報で各ファクターの流れをつかむ
●現場、現物、現実でリアルをつかむ

実際に経済産業省や野村総合研究所のデータを長年見ていくと、ここ最近の数値は当初に予想されていたよりも若干伸び率が下がっています。もちろん、それでも全体的には成長傾向にあることは間違いなく、消費者の行動変容次第でEC需要がさらに高まることも予想されます。

しかし、より重要なのは自社が扱う商材がEC市場のカテゴリでどうなっているかです。たとえば、分野ごとに詳細に見ていくと書籍、映像音楽ソフトは26%から30%のEC化率で4%伸びています。また、ワインを含む食品・飲料・酒類は市場規模が1兆6,919億円で2.64%というEC化率です。また、文房具の市場規模は2,203億円ですが40%を超えるEC化率です。こうした数字をどう見るかは事業を進めていくうえで重要なデータとなります。

ちなみに、もし私が文房具店だったら、「状況を考えるといまからECに参入するのは厳しい。さらに、EC化率は40%もある」のように分析を進め、何かしらほかの方法も模索する必要があると推測します。

次に、上場している会社はIR情報を公開しているので、この情報を参考にします。たとえば、モールなら「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」、決済ならば「GMOペイメントゲートウェイ」、物流なら「クロネコヤマト」や「佐川急便」など各社のデータはとても貴重な情報源です。

実際に国内モール大手の楽天のIR情報を見ると、流通額は成長しているものの、以前のIRと見比べるとずいぶん売上の構成が変わっています。グローバルで伸びていることや、楽天経済圏のつくり方と合わせて考えると、同社はECというよりフィンテック企業になっていく印象を受けます。

また、ヤマト運輸のIR情報からはドライバーの働き方改革やタッチポイントの状況がわかりますし、決済のGMOペイメントゲートウェイのIR情報からはオンライン決済の伸びが25%もあることが分かります。そして、これはEC全体の伸びより成長していることを示しています。

一方、キャッシュレス化が進んだことで対面決済や金融機関向けもそれぞれ50%、60%と伸びているのも気になります。ここではオンラインとオフラインの垣根を超えたOMOやオムニチャネル化の動きも意識したいところです。

これらのデータを見たうえで、それぞれの会社の現場を見ると、実際の動きが納得感を持って理解できます。現場ツアーや勉強会、セミナーからの懇親会などの機会で現場の声を聞くのは大切です。

また、ECショップから実際に購入すると、リアルな情報が得られます。たとえば問い合わせからの回答スピードやサイトのつくり、梱包状態などなど、聞いたことのある話と現実とのギャップもわかります。さらにECサイトで実際にどのソリューションやプラットフォーム、チャットシステムやMA(マーケティングオートメーション)を使っているかが一目瞭然です。

EC担当者の皆さんは、Webでの情報収集に加えて、現場、現物、現実という「3現主義」を心がけましょう。 

EC_01.jpg
EC市場(BtoC)の規模とEC化率の推移
全体の統計は経済産業省が実態をまとめています。将来の予測も含めて知りたいのであれば野村総研の資料と合わせて確認します 出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(2018年)より作成
EC_02.jpg
「IR情報」からトレンドを読む(1)
ヤマト運輸のIR情報です。ECにおいて物流の動きを知ることはとても重要です。消費者が荷物を受け取る方法の変化などが数値からも感じ取れます http://yamato-hd.co.jp/investors/library/
EC_03.jpg
「IR情報」からトレンドを読む(2)
GMOペイメントゲートウェイのIR情報からは売上に対するプラス要因、マイナス要因が整理されています。ここからオンライン決済の伸び率が想定以上のスピードで高まっていることが読み取れます https://www.gmo-pg.com/corp/ir/

続きを読むためにはログインが必要です。
マイナビBOOKSの「WD Online全文購読サービス」(有料)をご利用ください。

マイナビBOOKSへの新規会員登録もこちらから。

定期購読者はオンライン版が読み放題 !!
雑誌『Web Designing』の定期講読者には、
WD Onlineの全文購読サービスを無料でご提供しています。
詳しくは「定期購読のご案内」をご覧ください。

掲載号

Web Designing 2020年6月号

Web Designing 2020年6月号

2020年4月17日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

緊急特集【テレワーク】/世界のリサーチ結果をプレゼンやビジネスの武器にしよう!

サンプルデータはこちらから

■■■■■■■■■ Web Designing 6月号(4月17日発売)特集 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【緊急特集】テレワーク
リモートワーク・ビデオ会議の質を高めるための実践テクニック


世界の大規模なリサーチデータを集計して徹底分析!
Webビジネスの最新動向

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

<概要>

--【テレワーク】-----------------------------------------------------------------------
・リモートワークが余儀無くされる状況下、何からどう取り組めばいいか困っている人へ、
 企業として長くリモートワークに取り組んできた2社のノウハウを紹介。

・どんな機器、ツール、体制がおすすめ?
・円滑に、質の高いリモートワークを実現させるための実践ポイント



-【Webビジネスの最新動向】-----------------------------------------------------------------------
・公的機関をはじめ民間企業の独自調査など、90以上の世界中のリサーチ結果を見やすく整理。
 社内外の提案などで参考資料として使える資料集。

・ツール選定などの参考資料にもなります。

・リサーチ結果から各業界のプロが現在~近未来の潮流を優しく解説。

・Webマーケティング編(マーケティング全般、SNS、動画、ECなど)
 最新テクノロジー編(AI、RPA、IoT、VR、5Gなど) 
 採用&働き方編(テレワーク、採用、キャリア育成、組織改革など)
 
・目的なくして調査の意味はない! ユーザーリサーチの心得
・「調査屋」ではなく「戦略パートナー」にする! プロにリサーチを依頼するメリットとは?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【Web Designing 6月号を読んだメリット】

・いますぐリモートワーク、Web会議などを整備するために必要な現場のノウハウがわかる
・リモートワーク、Web会議をより快適に行うための機器やツール、運用体制の参考になる

--------

・提案・プレゼンの根拠づけなどに使える
・ツール導入などの選択基準として使える
・Webビジネスの技術・働き方の潮流が把握できる
・ビジネスの最新動向を系統立てて把握できる
・リサーチ結果の数字を読み、自分のビジネスに活かせるノウハウが身に付く
・効果的なリサーチ方法、アンケートの設問の作り方などがわかる



【こんな悩みを持つ方にオススメ!】
■大事なビジネス方針を決めるのに、たった1つの調査結果だけで大丈夫かな…?
■プレゼン資料を作るのに、色々なデータをかき集める時間がない!
■マーケティング手法もテクノロジーも目まぐるしく変わっているけど、今のポイントを知りたい
■リサーチが必要なことはわかっているけど、そんな予算もないし何をしていいかわからない
■決裁者に提案を通すために効果的な数字やその見せ方が知りたい

など

この記事を見た人はこんな記事も見ています