2020.04.23
SNSの今と活用法 Twitter再評価の動きはデータにも!?
Twitter、Facebookの日本語版サービスが開始して10年。以来、趣味やライフスタイルに特化したさまざまなSNSが登場し、SNSユーザーは増加の一途をたどっています。数あるSNSを、企業活動にどう活用すればいいのか? 今回は、アライドアーキテクツ株式会社の藤田和重さんに、「今、押さえておくべきSNS」についてデータをもとに解説していただきました。
変わらぬ時代の潮流安定の“4大SNS”
一度は利用したけれど、途中で離脱することも多いSNS。まずは、アライドアーキテクツ株式会社が作成した「SNS利用に関する意識調査」(2018年)から、4大SNSの継続率を見ていきましょう。Twitterを一度でも利用したことがある76.0%のうち、69.6%のユーザーは現在も継続利用しています。LINEについても、71.4%から66.8%と減少幅が少なく、共に継続率が高いと言えます。一度はユーザーが減ったように見えたFacebookも、数字を見ると決して少なくありませんし、Instagramも大方の予想通りの数字なのではないでしょうか。これら4つのSNSは安定的に利用され、ユーザーにとって“4大SNS”は、「トレンドのツール」から「何かの目的を果たすためのコミュニケーションツール」として認識が定着したと、アライドアーキテクツ株式会社のソーシャルメディアプランナーである藤田和重さんは言います。
「2014~2016年までは、『Facebookの創業について、映画化された』『芸能人の日常を、Instagramで見ることができる』など、流行に左右されていました。しかしその後、他のSNSが登場してもこれら4つの動きは大きく変わりません。ユーザーにとって、4大SNSに期待する役割が明確化されたのだと思います」
企業の側からすれば、ユーザーが多い4大SNSについては、自社の公式アカウントを持っているのは当たり前の時代。その上で、どのSNSで発信すべきかを考えられる力が、これからのWebマーケティングにはさらに求められるでしょう。
対極の性質を持つ「Facebook」と「Instagram」
実名でアカウントをつくり、属性情報などもわかる「Facebook」は、日本に登場した当初のフェーズではビジネス的なつながりづくりに重宝されました。その流れもあり、ビジネス重視派の人たちの利用率は圧倒的。業種や職種でセグメントもできるため、BtoB企業がSNS広告を活用してセミナー周知などを行う際に、一番効果的だと言えます。
また、近頃のユーザー傾向として、企業を調べるときに会社のホームページではなく、Facebookを参考にすると言います。
「Facebookの企業アカウントは、今やあって当たり前。ユーザーがそこで企業の情報を収集していると考えると、Facebookは『第二の公式サイト』のようなものです。企業がFacebookを運用する際には、FacebookはSNSの環境下におく“オウンドメディアの出張所”なのだというイメージを持ってつくることが大切です」
一方で、自分のリアルな体験が可視化されるInstagramは、Facebookとは対極をなしたSNSです。ユーザーは男性が45%ほどを占めますが、全体的に女性的な感性が優位なメディア。そのような特徴があるSNSなので、例えば社会情勢に不安感が漂うときには、女性は不安になってしまい、投稿する気持ちにならないかもしれません。「Instagramは、生活の中でほっと一息つける救いみたいなもの。社会不安の風が吹くときに、Instagramを通して企業発信をするのならば、社会貢献的なものや、『みんなで頑張ろう!』といったメッセージ性があるものが良いのではないでしょうか」と藤田さん。
また、“リア充”のプラットフォームであるInstagramのユーザーは、自分で投稿し、承認欲求を満たされたいという傾向にあります。そのため、他のユーザーが投稿していて「これ良さそう」と影響を受け、自分も買って投稿したいと思いがち。だからこそInstagramの投稿情報をきっかけとした消費行動が発生しやすいと言えます。
「コンビニエンスストアで買える話題の新作スイーツやコスメなどの日用品は、他のユーザーの投稿を見て自分も購入し、投稿しやすい。そういう意味でも日用品は、影響が出やすいと言えます。また、“リア充の可視化”という意味では、自分のステータスを可視化する不動産や車なども、投稿したい商品群に入ります。検討期間が長い高額商品ですが、インスタ映えを意識したアカウント運用ができれば、効果が見られるでしょう」