2020.03.11
One's View コラム Web Designing 2020年4月号
【コラム】自動で記事をつくってくれるCMSがあったら… 今号のお題「CMS」
さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。
今回は「CMS」というテーマにあわせて、「理想のCMS」について考えてみます。執筆にあたっては、実際に運用しているメンバーともいろいろ話しました。CMS運用の現状を整理したうえで、「こんなCMSが欲しい」というアイデアを考えたので、書いていこうと思います。
ローソンのWebページは、キャンペーンサイトから企業情報サイトまでひとつのCMSで管理しています。中でも更新が多いのは「ローソン研究所(http://www.lawson.co.jp/lab/)」というブログサイトです。TwitterなどのSNSは「ローソンクルー♪あきこちゃん」というキャラクターが投稿している設定ですが、ローソン研究所は「ローソンクルー♪あきこちゃんの“お兄ちゃん”」が更新している設定になっています。
ローソン研究所は、ローソンで新しく始まったキャンペーンや商品・サービスの紹介が主なコンテンツです。自社の最新情報を発信していくブログサイトのため、更新作業は定型化しています。編集長の筑間さんにOKをもらった内容が記事化されるのですが、カテゴリごとに編集担当者を割り振っており、各担当者が原稿を書き起こし、CMSに流し込む作業を行います。CMSに登録された記事は、テスト用のURLもしくはPDFを権利者に送付して、確認してもらった後、公開される流れです。
さて、本題の「理想のCMS」についてですが、「今の更新手順をAIで自動化したい」というのが思いついたアイデアです。初校出しまでを自動でやってくれる、AI化されたCMSがあったらいいな…と思いました。
例えば、新商品を紹介するコンテンツの場合、会社の商品データベースから発売日、価格、商品画像といった情報を勝手に引用。ローソン研究所ですと、「ローソンクルー♪あきこちゃんのお兄ちゃん」が語り手の設定なので、キャラクターのプロフィールを考慮しながら文章を考えてくれる。そうしたAIによる自動化が働いたうえで、レイアウトしてくれたらいいな…と。さらに、前回の内容から継続性を持たせて連載の文章を書いてくれたり、SNS配信用のバナー画像まで自動生成してくれたら最高です。
もし、実現すれば、ブログの初校提出まではCMSにおまかせして、微修正のみ担当者が行う手順になると思います。そうすれば、今内勤でブログを書いているメンバーがもっと外に出る機会が増え、取材記事も増えるのではないかと考えるのです。ブログ全体の記事本数も増えるため、より情報の詰まったサイトになるかもしれません。
そんな文章を書いていたら、このコラムも自分のライフログ(非公開で更新しているInstagramなど)から情報を引っ張って自動で書いてくれないかしら、なんて体たらくなことを考えてしまいました(笑)。


- ナビゲーター:白井明子
- (株)ローソン マーケティング本部 シニアマネジャー デジタルドリブンな取組の推進を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/