コンテンツマネジメントは顧客体験のマネジメントでもある|WD ONLINE

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データのミカタ Web Designing 2020年4月号

コンテンツマネジメントは顧客体験のマネジメントでもある データアナリスト萩原雅之氏による統計コラム

AmazonやNetflixのようなエンタメ・ECサイトにおいては、パーソナライズやレコメンデーションが使いやすさや継続利用につながることはよく知られている。では企業サイトやブランドサイトはどうだろう。顧客によってコンテンツの内容や見せ方を変えるべきかどうか、実は難しい問題だ。

パーソナライズのためには、属性や行動ログなど訪問者のデータを収集しCMSと連動させる必要がある。そうした機能を持つCMSは少なくないので、やる気があれば実装はできるはずだ。本当に難しいのは、データをどうコンテンツ選択や配置に反映させるかのプロセスだ。パーソナライズされたコンテンツの感じ方は、訪問者側の感覚や気持ち次第だ。それを快適に思わなければ、意味がないどころかマイナス体験になってしまう。

アドビ システムズの自主調査「2019 Adobe Consumer Content Survey」の結果を見ると、ブランドサイトや企業サイトのコンテンツを不愉快に思う理由として、「自分自身や置かれている状況に関連性がない」(24%)、「すでに購入した情報がおすすめとして出てくる」(14%)という経験の一方、「パーソナライズされ過ぎていて気持ちが悪い」(25%)も挙がっている。パーソナライズが過剰でも不十分でも不満が出るのだから、さじ加減は難しい。

その意味で、コンテンツマネジメントは顧客体験のマネジメントでもあり、CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)という言葉はもっと普及してもよい。訪問者は何を快適に感じ、何を不愉快に思うのか、顧客心理の理解が欠かせない。だから、CMSの設計にあたっては運用効率だけではなく、顧客セグメントをよく知るブランドマネージャーやマーケターの知見を取り入れよう。同じCMSを使っても、訪問者の快適さには大きな違いが出るはずだ。

アドビ システムズが消費者のコンテンツに関する意識調査で、日本人のデジタルコンテンツ消費に関するトレンドを発表。上のグラフはその1つ 出典:2019 Adobe Consumer Content Survey」(2019年3月発表) https://blogs.adobe.com/japan/dx-japan-consumer-content-survey-2019/
Text:萩原雅之
トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/

掲載号

Web Designing 2020年4月号

Web Designing 2020年4月号

2020年2月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

CMSはマーケティング戦力アップの最終兵器だ!

サンプルデータはこちらから

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さまざまなマーケティング戦略の「母艦」にする実践ノウハウ

攻めのCMSマーケティング2020


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専門知識がなくてもサイトの更新や管理ができるのが特長のCMS。
顧客へ認知やエンゲージを高めるために必須であるWebサイト、
そのコンテンツを有効に活用するための基盤となるCMSは、
今後のWebビジネスの勝敗を左右する大事なポイントなのです。
さらに、今あるサイト運用上のさまざまな課題も、
CMSを理解することで解消されるのです!

Web Designing 2020年4月号では、
積極的にビジネスを展開させるためにCMSを120%活用するノウハウを
現場レベルの課題感に合わせてお伝えします。


【こんな方にオススメ!】
■とりあえずWordPressにしてみたものの、実際の運用に様々な課題が出てきた
■既存のCMSではこの度やりたい新規Webビジネスが思うように実現できそうにない
■運用の使い勝手がいいCMSが知りたい
■予算は少ないが、企業サイトだけに素人が適当に作るのは抵抗がある
■CMS構築及びWebサイト制作、そしてその後の運用まで信頼できるパートナーを見つけたい
■「自社で簡単に作れる」という触れ込みを鵜呑みにした結果、現場が混乱&疲弊している


【内容(予定)】
●[攻めの多角的発信]ワンソースマルチユースを実現せよ!
・情報発信先はWebサイトだけではない!アプリ・IoT・サイネージ etc.
・ワンソースマルチユースが考えやすいCMSは?(機能面&サポート面)


●[攻めの新ビジネス]Webビジネスの潮流にCMSで乗りこなせ!
・サブスクリプション、CX、SNS、動画、EC、AI・・・


●[攻めのマーケティング]CMSをマーケティングにフル活用せよ!
・さまざまなマーケティングツールを連携させる戦術ノウハウ


●[攻めのリニューアル]Webサイトリニューアルで収益を上げろ!
・既存サイトを「攻めのサイト」に変えるには


●[攻めの運用]効率的かつ業務改善に繋がる運営をせよ!
・多部署間連携をスムーズにするコツ

●[攻めのための守り]セキュリティを堅固にせよ!

など