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One's View コラム Web Designing 2020年2月号

【コラム】我が家のプロジェクトマネジメント失敗談 今号のお題「プロジェクトマネジメント」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

昨今は制作現場に限らず、日常生活においてもプロジェクトマネジメントが必要な場面や、それを好んで導入するシーンが増えているように思います。その背景には、『テラスハウス』『バチェラー』のようなリアリティショーの影響なんかもあるのではないのかな、と。日常生活をプロジェクト化することで、プレイヤーとしての「主人公」と演出家としての「プロデューサー」、言い換えれば主観的にも客観的にも楽しめますからね。課題のある物事に対して少し距離を置いて冷静に進めるためにも、プロジェクト化は好都合な手法なのだと思います。ということで、今回は私自身の直近プロジェクト「海外移住」で起こってしまった3つのプロジェクト失敗談をお伝えします。

 

・失敗その1_プロジェクトマネージャーの不在!

家族移住はチームプロジェクトですが、全体を把握してスケジューリング、タスク振りをするマネージャーを置きませんでした。夫婦2トップの布陣で「都度話せばいい」と。結果、お見合い&譲り合い(なすりつけ合い)&スケジュール遅延と、よくある事態が頻発。WDの読者さんなら、こういう状況を経験なさっている方が多いと思うので、結果はご想像にお任せします。ある意味「失敗あるある」でお恥ずかしい限り。

・失敗その2_タスクと工数の管理不足!

移住日の1カ月前まで、夫婦ともに仕事はフル稼働。にもかかわらず準備に当てる時間の洗い出しと工数管理が不十分なまま、タスクは積み上がり、これは本当に移住するのか? と疑わしくなるほどでした。その結果、最後の荷物整理や事務作業は、仕事の合間を縫って分単位で遂行する始末。まさに地獄の1カ月でした(苦笑)。急遽、外部スタッフ(親とか友だちとか)に追加発注も…工数管理は本当に大事です!

・失敗その3_ゴールが曖昧。キャッチフレーズが必要!?

「移住」は一見するとゴールです。が、たとえばWebサービスやアプリでも「ローンチ」がゴールではありませんよね。それは通過点に過ぎず、ローンチを経てどういうメッセージを社会に発信するのか、そのビジョンが必要です。と、日頃から口を酸っぱくして言っているのに自分のことになった瞬間、忘れてたなぁと。移住プロジェクトを経て家族で達成したいことを、キャッチフレーズにしておけばよかったと今になって思います。

これらをどう挽回したのかというと、「やばい!」となった私が重い腰をあげて、プロジェクトマネージャー的に動き始めたことが挙げられます。動ける時間、優先順位付け、工数管理、タスクのリスト化(担当決め)、リソース追加など。そこで、とりあえず最低限の「ベター」を採択していきながら、なんとかローンチに漕ぎ着けました。なにより、最後の追い上げと巻き返しは、普段の仕事で「これ、やばい!」という状況を回避したプロジェクトマネージャーとしての経験が少しは活きたように思います(笑)。

仕事に限らずプライベートにおいても「プロジェクト化」はおすすめ! なのですが「プロジェクトマネージャーの任命」「タスクと工数管理」「ビジョンの設定」は特に大事です。それが恋愛であっても結婚であっても、たとえ子育てであっても。

以上、米国ポートランドへの移住を完了し、新しい暮らしを楽しんでいる今だから書ける話でした。思えば2019年7月は俗に言う「炎上」だったなぁ。反面教師としていただければ幸いです!

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「いまからポートランドに移住するよ!いってきます!」 2019年8月成田空港の搭乗口付近にていまから乗る飛行機を眺める次男
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ナビゲーター:松原佳代
2005年に(株)面白法人カヤック入社。広報および企業ブランディングを担当する。2015年に独立し、株式会社ハモニアを設立。スタートアップの広報戦略、広報人材育成をおこなう。2017年7月より、(株)カヤックLivingの代表取締役を兼任。暮らし、住宅、移住をテーマとする事業を展開する。カヤックLiving/ Twitter @kayom

掲載号

Web Designing 2020年2月号

Web Designing 2020年2月号

2019年12月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

効果的なコミュニケーションを生む“ベストチーム”のつくりかた

サンプルデータはこちらから

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予定通りに進まないWeb制作の壁を突破せよ!

失敗しない
Webビジネスのプロジェクトマネジメント

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Webビジネス、ひいてはWebサイト制作のプロジェクトにおいて、「当たり前」でありながらも最大の難関と言えるのが、
「予定通りに完遂する」ではないでしょうか。

クライアントと制作サイド、どちらも大勢の人間が関わり、多くのステークホルダーが存在するWebのプロジェクトでは、
全員の共有がうまくいかなかったり、責任の所在が曖昧になったり、立ち上げ当初には思いもよらなかったトラブルが発生したりと
スムーズに進めることが難しくなってきます。

しかし、スピードが勝負のWebビジネスの世界において、プロジェクトの遅れは致命傷になりかねません。
また、万が一プロジェクトがうまくいかないと、利益の損失、機会の損失はもちろん信頼の損失にも繋がります。

そこでWeb Designing2020年2月号では、

「なぜ、プロジェクトはうまく進まないのか」

を掲げ、その原因の中でも特に重要な
「スケジュール」「コミュニケーション」にフォーカスして
機会損失・利益損失・信頼損失の事態にならず成果をあげる「失敗しないプロジェクトマネジメント」のコツを
お届けします。



【こんな方におすすめ】
◎クライアントワークで上流から関わる制作会社のディレクター、デザイナー
・企業のIT推進担当、Web担当者、マーケター


【内容(予定)】
●プロジェクトの流れを把握しよう
●失敗しない「ゴール設定」
●失敗しない「チーム作り」
●失敗しない「状況把握」
●失敗しない「内外調整」
●失敗しない「成果・評価」

●定例会議がグレードアップする「プロジェクトスプリント」
●PM担当者のための理想のPDCAサイクル
●目的が途中でブレないために「なぜ」を追求せよ

●プロジェクトを円滑に進める最強ツール活用術
Backlog/Googleスプレッドシート&Microsoft Excel/Trello/Slack/Chatwork

●Webビジネスのプロジェクトマネージャー育成/採用講座

●動画のプロジェクトマネジメント
●SNSのプロジェクトマネジメント

『Web Designing』2020年2月号の連載記事「知的財産権にまつわるエトセトラ」に誤りがございました。
下記の通り訂正し、読者ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

129ページ右段上から3行目について
(誤)市立芸大
(正)造形芸大

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