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プロモーションの舞台裏 Web Designing 2019年6月号

TikTokで卓球リーグ「Tリーグ」の認知向上だ!

2018年10月、日本に新たなスポーツリーグが開幕した。国内外から強豪選手が集う国内最高峰を目指す卓球の「Tリーグ」である。そのTリーグが動画アプリ「TikTok(ティックトック)」を公認アプリとして採用。TikTok活用による認知向上の成否を取材した。

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https://tleague.jp/
TikTok:@tleague_official
□企画:(株)Tマーケティング

 

課題は新スポーツリーグの認知向上

昨今、国内の卓球熱は高い。近年の卓球日本代表の目覚ましい活躍があり、実績ある有名選手の露出も重なる。2018年10月、さらなる発展を目指し発足した「Tリーグ」だが、新たな試みの1つとして公認アプリに「TikTok」を採用している(01)。

TikTokの中心利用層は10代とされるが、最近は40代男性ユーザーが増えているという調査も出るなど、捉えどころが難しい側面がある。そうであるほど気になるのは、TikTok活用による成果である。TikTok担当の松永容樹さんに話を向けると、Tリーグがターゲットに考える年齢層は3~100歳。10代に限っていないばかりか、かなり幅広い層を念頭に置いていた。

「卓球は他のスポーツと違って、競技者も愛好者も低年齢層からかなりの高齢層までが一定の割合を占めています。私たちの課題の第一歩はとにかく認知。誰も知らない状況からのスタートでしたので、幅広い年齢層に名前と存在を最低限知ってもらうことが喫緊の課題でした」

新たな観戦スタイルを生み出したい

Tリーグには男女4チームずつあって、2018年秋に開幕。男女それぞれチーム総当たりのリーグ戦が展開。2020年以降は2部の「T1リーグ」、3部の「T2リーグ」を新設する構想で、将来的にピラミッド型のリーグ構造実現を目指す。

「リーグ開幕前の準備期間は、“Tリーグって何?”という状況。認知なくして集客の出発点にも立てません。当時、新たなSNSとして注目を浴びていたTikTokの立ち位置をTリーグと重ねながら、スポーツファンとの新しい形のコミュニケーションを取れないか? 両者が組んで新たなスポーツ観戦のスタイルも確立できればとも考え、積極的にTikTokを活用中です(02)」

TikTokは、15秒~1分以内の動画に音楽をアプリ内で加えて投稿する。新しい動画プラットフォームとしてビジネスシーンでも無視できない存在感もある。Tリーグでは認知向上を最優先にTikTokを活用。集客のためのノルマを設けず、認知優先の運用で一定の成果につなげている。Tリーグ在籍の主力選手層に10代が多く、抵抗なく協力が得られやすい背景も追い風にして、「知らない相手にまずはノリのいい動画を届ける」スタンスで拡散を図る。

ちなみに2019年3月で閉幕した最初のシーズンでは、男女全86試合で約11万人。体育館などの開催も多数あって、収容人数に限りが出る中、1試合平均1,276人という入場者数を記録した。

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01_TikTokにアカウントを設けて発信
Tリーグ所属選手、各チームの監督や関係者が出演する動画が344本(2019年6月上旬時点)公開中。フォロワー数の2万1,800(2019年6月上旬)は、Tリーグがアカウントを持つSNSの中でも際立って高い数値だ(左から早田ひな選手、平野美宇選手、張本智和選手、水谷隼選手、福原愛さん)
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02_「新規 × 親和性 × 拡散」で狙う認知拡大
2017年に日本市場向けに登場したTikTokは、2018年時点ですでに話題化していたがまだまだ新しいSNS(アプリ)という立ち位置。ゼロから認知を高めたいTリーグとは、新しさという共通点があり、選手の多くが10代でTikTokへの抵抗感がない点を強みに、選手たちを巻き込んでTikTok基点の認知拡大を図っている

 

心がける「雰囲気が伝わる動画」

投稿動画は、TikTok内で流行っている企画にTリーグも参加(便乗)する形の動画(歌詞の振りにあわせて踊る「言いなり選手権」と呼ばれる企画のTリーグ版「卓球言いなり選手権」など)と、試合以外の場面の選手の様子などを映した動画の2種類に分かれる。公開動画への意識について、気をつけている1点がある、と松永さんがいう。

「卓球は個人競技と思われがちですが、Tリーグは各チームが総当たりで戦う団体競技。私もよく選手相手に撮影を行う身として、団体スポーツであることが無意識に感じられる構図は心がけています」

一例で挙げてくれたのが、平野美宇選手がTリーグの企画したガチャガチャを試す場面を映したエントリー。周りと和気あいあいとする選手の様子から、個人競技という、卓球への先入観とは異なる雰囲気を伝えたい意図もあったのだ(03)。

「選手から感じるのは、TikTokがテレビや雑誌だけでなく、YouTubeよりもさらに身近な感覚のメディアだと受け止めていることです。自然と距離感を抱かせない動画づくりができ、短尺ですからその場で選手を前にプレビューもしやすく、被写体への負担が少なく済むのも利点です」

 

自分の感覚ありきで回避しないこと!

ズバリ、TikTokへの手応えは? 「認知に悩む新規事業には強力な武器になるはず」と松永さんは実感を伝えてくれた。

「まだまだ前向きな試行錯誤を続けている状態ですが、シーズン前と比べて終了後の認知向上への体感は強いです。名前や存在が知られないとそもそも検索されないけれど、TikTokだと“面白い動画”を入口に認知のきっかけになるからです(04)」

例えば、松下浩二チェアマンが積極的に参加するTikTok動画を「知らないオジサンが…」をフックに10代ユーザー中心に共有された後、TikTokから離れた周辺にも徐々に、10代に縛られず認知が広がっていく手応えをTリーグ側が1シーズンを通じて感じている。肝は、Tリーグ自体を知らずにきっかけがつくれることに尽きる。

「自分の感覚ありきだと、何がいいのかわからずとも、理屈で説明できないが何度も見てしまう中毒性こそTikTokの魅力。わからないからやらない、は避けたいです」

Tリーグは今年8月末から来季シーズンの開催が決定した。新シーズンでの新企画にも期待したい。まったく認知がない状態を変えたい目的での施策にも使える。迷うならトライする価値はありそうだ。

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03_Tリーグ全体でTikTokを全力活用中
選手だけでなく監督やチーム関係者、松下浩二チェアマンも率先して出演。試合以外のオフショットの動画(「#Tリーグ」など)とTikTok内で流行る企画ものの動画(「#卓球言いなり選手権」など)の2軸でエントリー。質問を選手たち自らが答える動画(#Tリーグクエスチョン)も用意するなど、Tリーグ全体で活用の意思が伝わる体制を敷いている
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04_TikTok経由で認知フェーズを深めていく
認知を目的に、Tリーグのことをまったく知らないユーザーでも楽しめる動画、少し知ってきたユーザーやファンが興味をそそる動画などを数多く投稿。総じて言えるのは、ユーザーやファン目線を大事に、近しさを意識した動画が多いこと。既存の卓球イメージと一線を画した訴求を続け、認知フェーズを徐々に高める狙いがある
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(株)Tマーケティング メディアプロモーション部 次長 松永容樹さん

掲載号

Web Designing 2019年6月号

Web Designing 2019年6月号

2019年4月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

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●速く繰り返すアジャイル開発で答えを探ろう
●クライアントの反応からわかる企画提案の落とし穴
●デザイナーが主導する、企画のあり方


【アウトプット】
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●チームで企画を生み出すためのTips「12」

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※記事内容は変更になる場合があります。


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