2019.03.04
CMS導入がもたらすビジネスメリット 投稿の質と働き方を向上
近年の企業サイトでは、サイト構築はプロの制作会社に依頼し、運用は自社で行うというスタイルがスタンダードになっています。自社で簡単に更新できるCMSを導入することは、ビジネスにおいてさまざまなメリットを生み出しています。
教えてくれたのは…西牧八千代
プライム・ストラテジー(株)取締役CMO。プライム・ストラテジー(株)の創業メンバーとして16年間、経営全般のほか、ブランド戦略、Webマーケティングに携わる。企画執筆した『本格ビジネスサイトを作りながら学ぶ WordPressの教科書』(SBクリエイティブ)は2012年度「CPU大賞(書籍部門)」受賞。
https://innova-jp.com
サイト運用のQCDを向上させる
CMSを導入することによって、Web運営にもたらされるメリットは一言でいうと「QCD(クオリティ、コスト、デリバリー)」の向上です。
CMSでは管理画面で集中管理ができ、テンプレートやプラグインなどの設定をしておけば必要な機能が自動的にWebページに埋め込まれます。HTML時代に1ページずつ制作していた頃に起こり得たリンクミスやナビゲーションの不備などといった人為的ミスが起こらないため、常にクオリティを担保できます。
また、管理画面の操作はとても簡単なので、Webへのリテラシーが高くなくても投稿ができます。そのため少し使い方を覚えれば、社員の誰でも投稿作業を簡単に行えるので、リソースや時間といったコストを抑えることに繋がります。そうすると当然、更新スピード(デリバリー)も速くなります。
企業の投稿の場合、マーケティングやPRといった業務目的を持ちますが、こうしてCMSがサイト運営の生産性向上に貢献すると、良いコンテンツの作成に集中しやすい環境が生まれます。CMSは優良なコンテンツ作成の大きな助けとなるものなのです。
自社運用できるメリット
多くの企業がCMSを導入する理由で一番に挙げられるのは、自社での運用が可能になるという点ではないでしょうか。Webページを増やすごとに外部の制作会社に依頼するとなると、費用が発生しますし、打ち合わせなどの時間や労力、実際に投稿されるまでのタイムロスが発生します。また、社内で更新できるとしても、Webのリテラシーが必要となる場合は限られた人しか投稿できず、その人の手が空かないと投稿できない、あるいはその人が辞めてしまうと他の人では投稿の仕方がわからないというようなことも、かつてはよくある問題でした。
しかし、CMSは誰でも投稿できるため多くの人で分業したり、それぞれが担当する分野ごとに更新を振り分けることができます。投稿の履歴が残るので、他の人が間違えて上書きして記事が消えてしまい復旧できないということもありませんし、自身が関わる部分だけを投稿できるように管理権限を設定することもできます。
スマートフォンが浸透し老若男女がインターネットを利用する現在において、企業情報がWebで調べられることは多いです。もし何年も更新されていないサイトを顧客や求職者が見たら、「この会社やお店は現存しているのだろうか?」「自身が望む最新の情報を得られなかった」という心象を持たれかねません。更新が容易になることで、Webサイトで最新の最適な情報を発信できているということは、ビジネスの面で重要です。
また、問い合わせが多くありそうな内容をあらかじめWebサイトで公開しておくようにすれば、電話やメールでの問い合わせ対応の手間が省かれるだけでなく、情報を知りたいユーザーにとっても負担が軽く済みます。お詫びなどの急な情報発信が必要となった際にも迅速に対応できます。
しかし、運用中にトラブルや不明点が発生することがあります。サポートしてくれる専門の会社は必要となるでしょう。