2019.01.25
Web制作会社進化論 広がる業務領域、2つの進化
唯一生き残るのは、変化できる者であるー「進化論」で知られる生物学者・ダーウィンの有名な言葉です。その言葉に表されるとおり、Web制作会社も時代に適応して進化を遂げました。その進化には大きく2種類の特色があります。それぞれの進化の事例を挙げながら見てみましょう。
進化の事例1●ベースメントファクトリープロダクション
進化の方向性の1つは、異分野への進出です。例として、1997年に創業し、現在は、商品開発、スマートフォンアプリ、飲食店なども手がける(株)ベースメントファクトリープロダクションを紹介します。数多くの事業の中で、今回はしゃぶしゃぶ店「しゃぶ八」について、お伺いしました。
―まず、Web制作から別事業へ、特に飲食事業に進出した経緯を教えてください。
Webサイトをつくるというのは、その企業のブランディングを担っているわけです。にも関わらず、自社発信でブランドをつくったことがない点にモヤモヤしていました。そこで、アプリ、製品、店舗といった自社ブランドをつくっていこうと。「しゃぶ八」をはじめたのは、店舗では、お客様と直接コミュニケーションをとれるから。普段は消費者と会うことのないWeb制作者にとって、顧客の反応が直接返ってくる場が身近にあるのは、大きなメリットです。
―しゃぶ八は、「一人一鍋」を特徴としていますが、このアイデアはどのように生まれたのでしょうか。
家族や恋人ならともかく、仕事関係の接待など、あまり馴染みのない人たちと同じ鍋を共用するのは気まずいですよね(笑)。また、締めに麺を入れるか米を入れるか、一人一鍋なら各々好きなものを選べます。オープン当時は他にそういったお店はなく、女性を中心に反響は大きかったです。その他、使いやすさを考えて3Dプリンタでコンロのつまみを制作したり、店舗の予約システムを社内でつくったり、具が取りやすい鍋の高さになるテーブルの形を設計するなど、そういったユーザー目線の考え方と細やかな部分にはデジタルやクリエイティブの世界で培ったノウハウが活きているかもしれません。
―御社の最新動向や今後の展望を教えてください。
新たな取り組みとして、2018年9月、シャンパンの新ブランド「DRAGON&TIGER Champagne」に参画しました。ラグジュアリーなボトルデザイン、SNSによるプロモーションなど、全面的なプロデュースを行い、酒類では異例の直販体制を実現しました。近年ハイブランドでも注目度の高い「ドラゴン」と「タイガー」をブランドコンセプトに採用することによって、当初から計画していた世界展開を目指します。