こんにちは。
世界内存在でありながら超越論的存在者でもある現存在の島田です。
そろそろこの季節がやってきました。
え!?梅雨?
いいえ、違います。やってきたのは「将棋年鑑の季節」です。
いうまでもなく1年間で作る将棋書籍の中で最強の大物です。何と言っても昭和43年から続いてますから歴史の重みがあります。将棋書籍編集者として、将棋年鑑の制作に関われることは幸せだと思っています。
さて、今日は現在制作中の「平成28年版将棋年鑑」から巻頭特集の一部をチラ見せしたいと思います。
お見せするのは上野裕和五段による「はやった戦法、消えた戦法」です。上野先生にはここ数年将棋年鑑の特集をお願いしており、「上野裕和の最新将棋事情」として、その年に流行した戦型のポイントを解説していただいておりました。
でも、はやった戦法だけじゃなくて、消えた戦法についても知りたい!と思うじゃないですか。と、いうわけで今回は「はやった戦法、消えた戦法」というリャンメンでまとめていただきました。
上野五段の「将棋・序盤完全ガイド」を読んだことのある人ならわかると思いますが、上野先生の解説の分かりやすさって、半端ないんですよね。
「上野五段の解説の半分は優しさでできている」というのはイマヌエル・カントの名言です。
と、いうわけで早速中身を見てみましょう。
今日紹介するのは先手振り飛車編です。こんな風に始まります。
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【全体、概要】
今年度の先手振り飛車は、昨年と同様に、二大戦法である「先手中飛車」と「石田流」、そして「升田流向かい飛車」が多く採用されている。
また、「先手四間飛車」は減少傾向にある。
先手振り飛車編の項目は以下の通り。
①進化する先手中飛車
②安定の石田流
③増加する升田流向かい飛車
④減少した先手四間飛車
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ふむふむ、なるほど。今日はこの中から④の「減少した先手四間飛車」を見てみましょう。
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【減少した先手四間飛車】
先手角交換四間飛車を含む、先手四間飛車が減少している。
データを確認すると、第15図(↓)を選択していた棋士が、前述の「先手中飛車」「石田流」「升田流向かい飛車」などに切り替えているケースが目立つ。
もちろん先手四間飛車そのものが不利というわけではなく、先手番らしく主導権を握りやすい戦法に移行したようである。
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なるほど~。角交換四間飛車がやっとわかってきたような気がしていたんですが、プロ的には減少傾向にあるとは驚きました。上野先生もいっていますが、戦法自体が悪いというよりは、先手中飛車、石田流、向かい飛車の方がより勝ちやすい、と見られているようです。
続きを読んでみましょう。
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なお、第15図では△1四歩(第16図・↓)と突く対策が最近注目されている。
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まじか!
そんな手があるんですか!恥ずかしながら知りませんでした。
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この早いタイミングの端歩は、石田流対策の「4手△1四歩作戦」とコンセプトが似ている。
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ほうほう。それってどんなコンセプトですか??
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先手が▲1六歩と受ければ△2四歩と突いて相振り飛車を目指す。
また、先手が端を受けなければ、△1五歩と突き越し、居飛車にして作戦勝ちを目指すのである。
ここ数年の傾向として、先手振り飛車全般に対して、相振り飛車、あるいは相振り飛車を含みにした駆け引きが増加しているのだ。
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・・・どーですか、みなさん。
勉強になりましたね?
私なんか、思わず読みながら「へぇ~」って声に出して言っちゃいましたよ。
先手振り飛車に対して、相振り飛車を念頭に置いて序盤に端歩を突く・・・。将棋の序盤って、いつからこんなに高度になったんですか?怖いです。怖いを通り越してWHYです。
さて、今日は先手振り飛車編の④をチラ見せしただけですが、この前にはもちろん①~③もありますし、この特集は居飛車編、先手振り飛車編、後手振り飛車編の3部構成になっております。
そして、この特集が全部読めるのは平成28年版将棋年鑑だけです!!
もうこれは読むしかない。予約ページヘレッツゴーです。
将棋年鑑の特集は5個あるので、今後もチラ見せしていく予定です。
宜しくお願いいたします。
それでは皆さん、今週も良い週末将棋ライフを!!