78手目の時点で解説の中村太地五段が「勇気のいる手」と挙げていたのが図の▲7二と。長谷川女流初段はスパッと勇気を見せました。
「強いねえ......」と控室の一同。形勢の良し悪しは別として▲7二とに踏み込めるのは強さの証のようです。
「▲7二とは、清水さんに『やってこい』と言ったような手です。後手もやってこいと言われると、どうやるか難しい。形勢は難解です」(中村太地五段)
図から△8八歩として80手目。消費時間は▲長谷川2時間12分、△清水2時間23分。形勢も消費時間も接近している。
(八雲)
先手が徐々に優勢に近づいていると見られていたところで、清水女流六段は自陣に銀を打ちました。
「うおお......。清水流だ」控室でうなり声が上がっています。
△2四銀は少し苦しいのを認めて粘りに出た手と言われています。
「一目は▲2五歩が痛いと思うのですが、△1三銀と歩を外しながら引いて意外に難しい。これは迂闊に攻めると清水さんのペースに引き込まれそうです。形勢は先手が優勢と思いますが、ここからの数手は慎重に行きたいですね」(中村太地五段)
実戦は図から▲8四角△6八とと進んで70手。消費時間は▲長谷川2時間1分、△清水1時間58分。
(八雲)
図は清水女流六段が△7七角成と桂を取ったところ。
「ほう、単に。これで十分と見ているのかな」(検討陣)
控室では△5五歩▲7六飛寄△7七と▲7二飛上成△4六角成▲3七角(参考図3)が予想されていました。
「△5五歩以下の順は先手を取りながら厳しく迫る手ですが、自陣に2枚目の飛車を成らせるためリスクもあります。清水さんはリスクをおかさなくてもゆっくり攻めてよしと見たのでしょう」(中村太地五段)
実戦は図から▲1五歩△同歩▲1三歩と進み、清水女流六段は時間を使ってから△1四金(下図)と打ちました。いかにも清水女流六段らしい手厚い金打ちに、控室では感嘆の声が上がっています。
「△1四金は清水さんらしい一手でしたが、その前の長谷川さんの嫌味の付け方もうまいですね。強いです。後手は△7七角成のところで、やはりもう少し利かせる順を選んだほうがよかったかもしれません。勝負は互角に戻った印象です」(控室の検討陣)
(八雲)
7354件中 5691-5695件目先頭前へ1131113211331134113511361137113811391140次へ最後