「いよいよマイナビ女子オープン五番勝負が開幕するんだな、と思います。昨年女王を獲得してから、次は防衛が目標だな、と思って一年間を過ごしてきました。一年間が『あっという間だな』という気持ちと、『早くやりたい』という気持ちがあって、複雑な心境でトーナメントを見守っていました。正直に言うと、長谷川さんが勝ち上がってきたのは非常にびっくりしました。長谷川さんとは一年半くらい前にマイナビ女子オープンの本戦トーナメント１回戦に、彼女がまだアマチュアだった頃に対局したことがあります。そのときにはちょっとした動作に『あ、この子はアマチュアなんだな』という面影が残っていましたが、それから一年半、女流棋士としてデビューしてまだ半年ですが、さまざまな面で成長しているな、というふうに感じています。先ほど検分で相楽園会館におじゃましたのですが、初めてタイトル戦を行わせていただくということで、身の引き締まる思いです。私は神戸市に温かい思い入れがありまして、まだ片手で数えるくらいしか訪れたことがないのですが、ハーバーランドで駒桜のイベントを行わせていただいたり、指導対局の後に誕生日を祝ってくださったこともあって、またここに来たいな、と思っていました。そうした気持ちをこのような大きな舞台で表現できて、非常に光栄に思います。明日から第１局が始まりますが、自分の将棋を精一杯指すことに集中したいなと思っています」

■来賓挨拶

神戸市　市民参画推進局長　大谷幸正様

「対局者のお二人を心から歓迎します。この対局はたくさんの方が注目しているでしょう。悔いのないように戦っていただければと思います」