こんにちは。ウルトラマンシリーズでは「ウルトラマンセブン」が一番好きな編集部島田です。よく「アイスラッガー」の真似をしました。
さて、今日も秋の夜長にふさわしい新刊案内いきます。紹介するのは日浦市郎八段の新刊「Zの法則 ~絶対詰まない終盤の奥義~」です。
本書はかの有名な日浦先生の終盤の名著「Zの法則」と「投了の真相」の2冊を合わせて1冊の文庫にしたものです。
このブログを読んでいる方ならご存知とは思いますが「Zの法則」の「Z」とは「絶対に詰まない形」という意味です。「ゼ」とも言われます。
「絶対に詰まない形」→「ゼ」って、何文字省略してるの?っていうくらいの究極の省略形です。
私の高校時代(=かなり前)に友人が「Zの法則」というめちゃめちゃいい本がある、と教えてくれた記憶があります。まさかその本を自分が文庫化することになるとは夢にも思いませんでした。
さて、島田の昔話はどうでもいいから早く内容紹介しろっという声が聞こえてきましたので中身を紹介しましょう。
本書の構成は
第1章 Zの素人編
第2章 Zの新人編
第3章 Zの凡人編
第4章 Zの鉄人編
第5章 Zの達人編
となっております。
って、目次だけ見ても意味分からんわ―。と、思いましたね?
全部Zの話です(当たり前)。そして、徐々に難しくなっていきます。
今日はこの中から「第1章 Zの素人編」から2問出してみようと思います。素人編と思って侮るなかれ! 頭を将棋脳に切り替えて次の図を見てください。
先手の形は美濃囲いで今、後手が△5八とと銀を取ったところ。ここで手拍子で▲同金と取るようではいけません。それでは「Zのど素人」になってしまいます。後手に詰めろで迫られていつの間にか受けなしというのがよくある(私の)負けパターン。
この「美濃囲いで△5八とと取られた形」は本書によると「最も基本的なゼットの状態」なんだそうです。
確かに次に△3九角や△3九銀と放り込まれても▲同金があるので絶対に詰みません。
と、なればこの瞬間に受けなしに追い込めれば勝ち、というのが将棋の道理。
そこで▲4四桂!△同歩▲4一龍!△同玉▲4三銀!が正解となります。
あちょーーーー!!
気持ちよくあちょーーーーーー!!!
桂を捨てて、龍もたたき切って、玉頭に銀を設置。これで受けなしです。△1二飛には▲4二香△同飛▲5三金、あるいは単に▲5三金△5一銀▲5二香でも寄りです。まさにZを生かした勝ち方。
こういう勝ち方ができる人が将棋強い人、っていう感じがします。
さて、次の問題が最終問題です(いきなり)。心してかかってください。
先手はかなり迫られていますが、△3九角に▲1八玉と寄れば横に利く駒がない限り一生詰まない形。本書では「飛車金ゼット」と呼んでいます。ちなみにこの他に「角銀ゼット」や「桂馬ゼット」「逆王手ゼット」なるものもあります。
で、「飛車金ゼット」なんですが、6三金が今にも取られそうな状態。金を渡さないでうまく寄せる手段なんてあるんでしょうか??
あるんです!
めちゃめちゃ良い手順が。
しかし紙面の都合上それを書くスペースがありません。残念です。続きは書籍でお楽しみください。
私の私見(同義反復)ですが、この寄せが分かるならアマ三段はあると思います。
もし見事に寄せられた方はその手順をsoft@mynavi.jp宛にお送りください。
私から「Zの三段」認定証をテレパシーで差し上げます。
「Zの法則」ではこのような例題がたくさんあり、それを解いて解説を読めば自然にZ術が身につくようになっています。この「Z術」という言葉が本書では何回も登場するんですが、将棋を知らない人には全く通じないでしょう。
また、今回は紹介できませんでしたが「投了の真相」はプロの実戦で現れた即詰みの手順を解説した内容です。プロはかなり前の段階で投了するので、改めてプロの凄さを実感できるとともに、詰みの力もつく内容になってます。
発売は11月中旬を予定しております。
みなさま、お見逃しなく。
追記:どうでもいいですが、冒頭のウルトラマンの話は「ゼット」→「ゼットン」→「ウルトラマン」という連想でした。