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新刊案内「禁断のオッサン流振り飛車破り」 ~いにしえの戦法、鳥刺しを学ぶ~

2016.05.19 | 島田修二

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こんにちは。
9次元から来た男こと編集部の島田です。

今日も元気に新刊案内いきます。

編集者という仕事の最大の喜びは、自分が面白いと思ったものを人にも面白いと言ってもらうことだと思いますが、そういう意味では今日紹介する本は編集者冥利につきるものです。

まぁ簡単に言うと、とても面白い本だということです。

すでに一部では話題になっている、神谷先生の「禁断のオッサン流振り飛車破り」を紹介いたします。





まず、タイトルのインパクトがすごいです。
神谷先生に考えていただきました。

内容はマイナーながら有力な4つの振り飛車破りを神谷先生が伝授する、というもの。その4つというのが

第1章 ゴキゲン退治 盛り上がり戦法
第2章 四間飛車退治 鳥刺し戦法
第3章 四間飛車穴熊退治 ホラ囲い
第4章 石田流退治 棒金戦法


となっており、最新の若手棋士の研究とは完全に対極にあるような、いにしえより伝わる秘術のオンパレードになってます。

とにもかくにも、特筆すべきは原稿の面白さです。私自身、読んでいて30回くらい吹き出してしまい、殺されるかと思いました。

原稿の衝撃度でいえば、糸谷先生の「現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~」以来のインパクトです。

まずはまえがきを読んでください。

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まえがき(本書の正しい使い方)
この本を読んだら早速将棋大会やネット対局で使ってみる。
その際うまくいったときは喜び、棋友に「良書だ、ぜひ買って読め」と勧める。
うまくいかなかったときは自分の力が足りなかったと考え、著者や出版社を恨んだりしない。
読み終わった後、オッサンらしくコンピュータ操作が苦手なことを自覚してネットオークションに出したりは絶対にしない。
オッサンらしく読み終わった数ヵ月後に読んだこと自体を忘れて再び購入する。
できればこれを数回繰り返す。
以上です。
八段 神谷広志

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どうですか?こんなまえがきの将棋戦術書がこれまであったでしょうか。(いや、ありません)

ついでに「第1章ゴキゲン退治 盛り上がり戦法」の出だしはこんな感じです。





「超早」って何?って感じですが、細かいことは気にしないでください。

さて、この「ゴキゲン退治 盛り上がり戦法」も面白いんですが、今日は第2章の「鳥刺し戦法」を紹介したいと思います。

私はよく知らなかったんですが、皆さんは鳥刺し、知っていましたか?

こんな戦法です。





振り飛車側の陣形はいたって普通ですが、居飛車の形が異常事態になってます。

まず、角道を開けていません。
そして、右の金、銀を一歩を動かさずにいきなり▲3五歩とつっかけています。

これ、将棋の戦法ですか?

こんなんでいいんでしょうか??




いいんです!!

これでいいんです!!






ここで△3二飛が「戦いの起こった筋に飛車を動かせ」で妥当に見えます。





しかしかかし!以下▲3四歩△同銀▲3八飛と進んで





(1)△3五歩には▲4六銀

(2)△4三金には▲3四飛(あちょー!!)△同金▲4三銀



問題は△5一角と引かれたときですが、▲2四歩△同歩▲2二歩!!で一丁上がりです。




ちょー気持ちいい。
こんな仕掛けで勝てたら将棋やってて良かったと思えそうです。
恐るべし、鳥刺しの破壊力。駒組みも狙いも簡単なのがいいところです。


ただ、△3二飛と回ったところでは△3五同歩という手もあり、自然です。
そっちの方は書籍でご確認いただければ幸いです。

マイナー戦法だからこそ、相手が対応を知らないとこんなに簡単に勝つことができます。

私もこの本で第4章の棒金を学んで、早速将棋クエストで快勝できました。▲7六飛・7七桂の石田流にはだいたい棒金で勝てるんじゃないかと思ってます。神谷先生、ありがとうございました!

みなさんも本書を楽しく読んでいただいて、いにしえの振り飛車破りを実戦で炸裂させてください。



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