こんにちは。
GWでやや日焼けした、編集部の島田です。
白河法皇は賀茂川の水と山法師を恐れたといいますが、すべての将棋ファンが恐れるものと言ったら何でしょうか?
そうです。それは雁木と右玉です。
私も何度痛い目に遭ったことか・・・。回数にして3那由多くらいいっている気がします。
と、いうわけで本日紹介するのは「棋界に伝わる二つの秘法 雁木・右玉伝説」です。
本書は雁木伝説と右玉伝説という二つの本を合わせて文庫化したものです。
こんな本が出たらまた雁木・右玉使いの人が増えるんじゃないかとドキドキしていたんですが、発売から10日ほど経った現在、おかげさまで大変よく売れております。買っていただいたみなさん、誠にありがとうございます!
今日は本書の中から最初に書いてある雁木の理想形について紹介したいと思います。
ものすごく気持ちよく決まるので心の準備をお願いします。
では、早速基本図を見てください。
この局面に至るまでに雁木の駒組みに3つのポイントがある、と書いてあります。
3つのポイントとは
(1)自分の飛先は突かない
(2)相手の飛先は受けない
(3)▲9六歩は突け
以上です。とてもカンタンです。
ちなみに、なぜ▲9六歩を突くかというと、これにも3つ理由がありまして
(1)将来の△9五桂を防ぐ
(2)▲9七角を作る
(3)△8六歩▲同歩△同角▲8七歩△9五角を防ぐ
以上です。最後のやつが分かりにくいんですが、△9五角は次に△8四角と引かれると間接的に飛車を狙われて損なんだそうです。なるほど。
で、ここから後手に飛車先の歩を交換されちゃうんですが、その間に右の桂を活用して下図のように進めます。
この△6四歩では代えて△8六歩▲同歩△8七歩という手もあるんですが、そっちは書籍でご確認ください。△6四歩に対して▲同歩と取ると△同角が桂取りになっちゃうので無視して▲4五桂と跳んでいきます。以下こんな感じになります。
ここから▲3五歩△同歩▲3三歩△2二玉(下図)と進んだのがこのブログで私がどうしても紹介したかった問題の局面。
この次の3手があまりにも気持ち良い手順で、一瞬で将棋が終わってしまうんですが、みなさん分かりますか??
(シンキングタイム)
時間切れです。
答えはなななんと▲3五銀!!そして△同銀に▲5三桂成!!!!
あちょーーー!!!!
今月最大のあちょーーー!!
よく見るとこの成桂を取る駒がありません。全部飛車成られちゃいます。
じゃあ△4七歩と叩くか、と思ってみても▲4三成桂が詰めろになっては一巻の終わりです。
いやー、気持ちいい。
実戦でこんな勝ち方したら3日はいい気分でいられます。
もちろん、この変化は雁木の理想形なので、実戦でここまでうまくいくことはめったにないでしょうが、破壊力は伝わったかと思います。
書籍にはこの攻めを防ぐために相手がいろいろと対策を講じてくるんですが、結局、改めて雁木の恐ろしさを思い知ることになったのでした。テキビシ。
雁木か右玉に興味のある方、レパートリーの一つに加えようと考えている方はぜひ本書を読んでみてください。
破壊力の雁木か、バランスの右玉か、どっちを使うかはあなた次第です。
できれば私とあたったときは使わないでください。宜しくお願いいたします。
では今日はこの辺で。