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週刊将棋

雨宮編集長のコゴト@勇者アマヒコ

2015.08.29 | 週刊将棋編集部

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 王位戦七番勝負は、羽生善治の防衛で終わった。
 4年前の同じ顔合わせは、フルセットの決着だった。今回は4-1。星の上では差が開いた。広瀬章人は、どんな思いでいるのだろう。

 間もなく始まる王座戦五番勝負では、佐藤天彦が羽生に挑戦する。テレビドラマの「勇者ヨシヒコ」シリーズが好きだったので、勝手に「勇者アマヒコ」と呼ぶことにした。今期ここまでの戦いぶりは、勇者の名にふさわしい。
 ドラマの中でヨシヒコが戦った相手は悪魔だった。アマヒコの相手は悪魔ではないが、悪魔のように強いことは間違いない。

 タイトル戦の挑戦者になれるのなら、その棋士が不調であるはずはない。普通に考えて好調、ときによっては絶好調で羽生に挑むはずだ。
 そんな棋士が羽生に敗れたあと、目に見えて調子を落とすことがある。自信をなくすのか、何かが狂ってしまうのか。タイトル戦の番勝負で羽生と相対する濃密な時空には、経験したものしか感じられない何かがあるのだろう。それはひょっとしたら、自分が築き上げてきたものに根底から疑問を突きつけられるような感覚かもしれない。
 これではいかん、と思って試行錯誤する。その結果をもって再び戦い、それでも通用しない、むしろ距離が開いてしまったとなると、いったいどうすればいいのか。このループにはまったら深刻だ。

 勇者アマヒコよ。

 君はどう戦う?
 そして、戦い終えたあと、どうなる?