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新刊案内「四間飛車の逆襲」 ~△8四角型に対する有力な反撃~

2015.07.16 | 藤原 哲

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こんにちは。結局ウィンブルドンの決勝も最後までしっかり見てしまった藤原です。



今回紹介する本はこちら。




石井健太郎先生になんとノーマル四間飛車で穴熊に対抗する戦術書を書いていただきました!石井四段といえばプロ棋士の中でもノーマル四間飛車得意とする数少ない棋士。
また矢倉も得意としていることもあり、本書でも「矢倉の「厚み」や「縦の攻め」といった点を四間飛車に取り入れられないかと考えていた(まえがきより)」と今までの四間飛車にはない新感覚を取り入れた本となっています。

穴熊は四間飛車党にとっては非常に頭を悩ませる戦法。かくいう私も将棋を覚えた頃から四間飛車を指し続けてきたので、何度痛い目に遭ってきたか分かりません(笑)。というわけで全国の四間飛車党にとって(私にとっても)まさに待望の一冊といえるでしょう。



今回は書籍から一部内容を紹介。


図は穴熊側が△8四角と転換する作戦をとってきた局面。四間飛車対居飛車穴熊でも最も遭遇しやすい形ではないでしょうか。ここで①▲5七銀と②▲8六歩が有力なのですが、今日は積極的に動いていく②▲8六歩の変化を紹介します。



この▲8六歩は本文中でもよく出てくる筋で、「△8四角+△6二飛型には常に狙っている手であることを覚えてほしい」(本文中より)とのこと。


▲8六歩以下、△同歩▲8八飛に△7三桂と進んだ局面が下の図。




ここで平凡に▲8六飛△8五歩▲8八飛と進めるのは△6四歩で先手失敗。
ここは桂を跳ねてきたところを狙って▲7五歩と突くのがよく、△同歩は▲8六角△8二飛▲5九角で先手良し。
▲7五歩以下△6四歩▲7四歩△6五桂▲8六飛△7七桂成▲8四飛△9三角▲8一飛成△6六角▲7三歩成と一直線に駒を取り合って結果図。





穴熊相手に銀損しているのであまり自信ないように見えますが、最後のと金ができたのがポイントで5三の銀と交換できそうなので問題なし。そうなると先手の龍と後手の飛車の働きの差が大きく先手良しだそうです。穴熊と斬り合うのは怖いですが、意外に戦える変化も多いようです。


ただ後手も△7三桂と跳ねるところで、△9三桂と少し工夫してきたり




△6四歩と6筋からすぐに反撃してくる順もあります。



どちらも簡単ではないですが、それぞれ石井先生の研究を裏づけに深い考察が書かれています。難しい変化も多いですが、ぜひ石井先生による新感覚の四間飛車を身につけていただければと思います。発売は8月中旬を予定しております。お楽しみに。