詰将棋選手権 一般戦 | マイナビブックス

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詰将棋選手権 一般戦

2015.04.20 | 小野寺隼

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4月11日の詰将棋解答選手権の一般戦に参加しました。
さいたま会場に着くとそこにいるのは小学生と知り合い(将棋関係者かアマ強豪)。
早速、逃げ出したくなった。
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満足いく結果で終えたから、堂々と書けることだが、取ると恥ずかしい点数というものがある。
・チャンピオン戦と配点が違うが、20点より低いとさえない。チャンピオン戦20点で、一般戦15点です……って違和感しか感じられない。
・29点もまずい。重大な解答誤記は1箇所につき1点引く、とある。編集者のくせに書き間違えたと笑われる。
・よって、24点も解答誤記があったと思われるだろう。4問正解20点+部分点2点×2で24点だとしても、5問正解25点-解答誤記1点と思われかねない。

そもそも、詰パラ4月号の中学校(9手または11手の5問)が全く解けていない。13手以下が出題されるが、制限時間60分では1題しか解けないかもしれない。
リスクばかりが気になった。
逃げ出すとそれはそれで恥ずかしいので諦めましたが。
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着席してまず取りかかったのは、駒の枚数の確認。
全部暗算で解くというプライドは持ち合わせていないから、盤面いっぱいに配置して、合駒は何が残っているでしょう、という問題は並べてから考えたい。
数えてみると、なぜか金が3枚!も余る。
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解答開始の合図があると、自然と集中できた。

1問目(と2問目)を見たのだが。
①▲1二と△2三玉▲2二金△2四玉……。詰みませんね。
②▲5六角△同香……。効果はいまひとつのようだ。
周りから鉛筆の音が聞こえるが、とりあえず落ち着くことにする。
②は5七から角を打つべきだし、①は▲1三金以下詰む。
少し時間がかかったが、まずは2問を解いた。


残りの4問をよく見て、次に解けそうな問題を探す。
思いのほか⑥が手を付けやすく、桂を跳ねさせて▲6八歩を打てば済む。
すんなり解いて、解答を記入する。
見落としがないか盤に並べたが、そこで手を数え間違えてあわてる。
あらためて確認をしてこれで3問。
最初の2問を解いたあとに⑥を解くあたりがマニアと呼ばれる理由か。


これも手の組み合わせがいくつか見えるが、桂の使いどころが分からなかった。
ためしに初手で▲2六桂と打つと△同馬▲5五竜で△4五金が限定合になる。
しばらくして作意に至ってこれで4問。

ここで30分が経過。選挙演説が騒がしいが、窓を閉めると暑くなりそうだ。いままで閉めなかったことを考えると、そういうことだろう。
いったん解答誤記や見落としがないかを確認して、残り2問に取り組む。


▲6四金に△同玉も△同銀も楽詰み。ただし、4三に逃げられると詰まないからと初手▲2一角。今度はどうやっても詰んでしまう。3二に中合が利かないから2手目が分からなかったが、△5三玉に気づいて終了。△4三飛は1秒も考えなかった。


こんなのは初手に桂を捨てるものだ、と即断。
▲2二桂成に△同玉は詰むだろうから(普段はやらないが)読み飛ばして、△同香は▲4三飛成でこれも詰む。△同角に▲4三飛成△3三歩で作意が見える。
変化手順が分からなくても、紛れ手順の逃れ方が分からなくても、解答用紙に書いたことだけが採点される。解答欄を埋めて、残り10分のアナウンスで途中退出できる準備をした。
ところが、考え始めた△2二同玉が詰まないし、▲4三飛成に香合だと作意以外に変長があって、腑に落ちない。実は△2二同玉が作意のような気がして考え込む。
退出を諦めて考え続けるが、時間だけが過ぎる。
納得いかないまま終わりそうだと諦めかけたが、最後の1分のアナウンスの瞬間に手順前後に気が付く。
解答を書き直してタイムアップ。

時間いっぱい使って満点でした。
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今回は簡単だったのかと、周りを見たがそうでもなかったようだ。
珍しく勘が当たっただけのようだ。

運よく満点だと、次回はもうこわくて参加できませんね。